おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

グレープフルーツは誰が命名したのか

グレープフルーツはブドウではなく柑橘類の果実です。

まるでブドウの房のようにたわわに実るので名づけられました。

 

実がなっているところを見て思いついた名前なのでしょうが、

誰が名づけたのかわかっていません。

 

それにしてもグレープフルーツには気の毒なほど単純な命名です。

とりあえず仮名を名乗っているような感じがします。

もう少しおいしそうな名前はないのでしょうか。

 

日本には1970年代から本格的に輸入されるようになりましたが、

当時はグレープフルーツジュースとグレープジュースがよく間違えられたそうです。

 

イタリア語ではポンペルモといいます。

フランス語ではパンプルムスといいます。

 

どちらも瑞々しい感じの名前です。

やはり果物の名前はこうでなければいけません。

 

じつは英語にもポメロという名前があります。

一般にはグレープフルーツよりもむしろ文旦のことを指します。

 

もともとグレープフルーツは文旦とオレンジの交配種です。

人為的な交雑ではなく自然に生まれた品種です。

18世紀に西インド諸島で発見されました。

 

その後フロリダで栽培されるようになりました。

今では品種改良も盛んに行われています。

 

グレープフルーツとタンジェリンから生まれた果実をミネオラといいます。

別名ハニーベルとも呼ばれています。

 

グレープフルーツと文旦から生まれた果実をオロブランコといいます。

オロブランコと同じ品種がイスラエルでも栽培されています。

こちらはスウィーティーという名前で日本に輸入されています。

 

ハニーベル、スウィーティー、どちらもおいしそうな名前です。

やはり果物の名前はこうでなければいけません。

 

できればグレープフルーツにも素敵な愛称をつけてほしいと思います。