おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしいことばを探してみましょう。

日本人はニシンの卵が大好きだという評判が誤解されて生まれた料理名

日本人ほど魚卵が好きな国民は世界に類を見ません。 タラコもスジコもカズノコも大好きです。 タラコは、一般的にマダラではなくスケトウダラの卵です。 卵巣ごと塩漬けにして作ります。 もともと赤い色をしていますが、さらに色よくするために、 着色料や発…

春告げ魚と言えば昔はあれで今はこれ

春告げ魚といえば、昔はニシンのことを指しました。 春になると北海道沿岸にやって来るからです。 産卵期のニシンが大群で押し寄せる群来(くき)は、 昔から北海道の春の風物詩になってきました。 最盛期の明治40年頃には、年間100万トンの漁獲量があり、 …

冬に旬を迎えるサワラはなぜ漢字で「鰆」と書くのか

冬になると旬を迎えて美味しくなる魚があります。 ブリ、マダラ、フグ、アンコウなどです。 とくに寒い季節に獲れるブリは「寒ブリ」と呼ばれ、 正月料理に欠かせない食材です。 じつは、サワラも冬になると旬を迎える魚です。 ブリと同様に「寒サワラ」と呼…

ドイツではジャーマンポテトは何と呼ばれているのか

ドイツ料理といえば、真っ先にジャガイモを使った料理が 思い浮かびます。 代表的な料理は「ジャーマンポテト」でしょうか。 ジャガイモとベーコンをカリッと炒めた料理です。 基本は、バターと塩とコショウで味つけしますが、 刻んだパセリをまぶしたりする…

フランスではフレンチトーストは何と呼ばれているのか

ダスティン・ホフマン主演の「クレイマークレイマー」という 古い映画があります。 ある日、妻が幼い息子を置いて家を出ていってしまい、 夫のホフマンが家事に育児に大奮闘するという物語です。 慣れない手つきで、朝食にフレンチトーストを作る場面が 描か…

イギリスではイングリッシュマフィンは何と呼ばれているのか

イングリッシュマフィンは、丸く平らな形をしたパンです。 表面にコーンミールがまぶされています。 本家イギリスを始めとして、アメリカ、カナダ、オーストラリア、 ニュージーランドなどで日常的に食べられています。 食べるときは、水平に二つに割いてト…

デンマークではデニッシュペストリーは何と呼ばれているのか

デニッシュペストリーのサクサクした生地はクロワッサンと たいへんよく似ています。 それもそのはずです。じつはデニッシュペストリーと クロワッサンは双子の兄弟だからです。 一説によると、クロワッサンはマリー・アントワネットが フランスに製法を伝え…

三日月形をしていないクロワッサンの秘密

クロワッサンとはフランス語で三日月のことです。 当然クロワッサンは三日月形をしています。 ところが三日月形をしていないクロワッサンもあります。 角が真っ直ぐに伸びたクロワッサンです。 クロワッサンには2種類の異なる油脂が使われています。 外見で…

クロワッサンがフランスで愛される理由

クロワッサンはフランス人になくてはならない食べものです。 すべてのフランス人にこよなく愛されています。 その理由は、クロワッサンとカフェオレの組み合わせが、 フランスの朝食の定番だからです。 サクサクとした食感は、クロワッサンの大きな魅力です…

バケットがフランスで愛される理由

フランスパンのことをフランス語で「パン・フランセ」といいますが、 一般にはフランス本国以外のフランス語圏で使われる名称です。 フランスの人々はフランスパンのことをパン・フランセとは呼びません。 わざわざフランス国内で「フランスの」という必要が…

バターがフランスで愛される理由

近年は国内でバターの品薄が続いていました。牛乳が十分に 足りているのにバターが不足しているのは不思議です。 バターは一箱200グラムで売られることが多いようですが、 昔は225グラムだったような気がします。 1ポンドが約450グラムですから、225グラムは…

「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざは本当にイタリアにあるのか

英語には、こういうことわざがあります。 「一日一個のリンゴは医者を遠ざける。」 An apple a day keeps a doctor away. それだけリンゴが健康によいということですが、 こんな面白いジョークもあります。 私の娘が恋している医者と別れさせたいのですが、 …

自家製トマトソースがイタリアで愛される理由

スローフードはファーストフードに対する言葉です。 1986年にイタリアの小さな町で始まりました。 消えゆく伝統的な郷土の食文化を守る運動です。 良質の料理法や美味しさを次の世代に伝えていくために、 食材の生産や食品の製造を保護しています。 スローフ…

トマトがイタリアで愛される理由

イタリア料理に欠かせない食材といえば、 オリーヴオイルとトマトです。 日本料理に味噌と醤油が欠かせないのと 同じくらい重用されています。 オリーヴオイルは紀元前から使われていますが、 トマトは比較的歴史が浅い食材です。 アメリカ大陸からヨーロッ…

パスタがイタリアで愛される理由

リュック・ベッソン監督の映画「グラン・ブルー」に、 名優ジャン・レノがエンゾーの役で登場します。 エンゾーは、シチリア出身の素潜りの天才ですが、 自信過剰でじつに尊大な性格をしています。 しかし、その一方で家族と友だちを心から愛する 陽気なイタ…

イタリア料理はなぜ日本で愛されるのか

イタリア料理は、日本で高い人気がありますが、 その理由は何でしょうか。 それは、日本料理とイタリア料理に多くの共通点が あるからではないでしょうか。 日本もイタリアも長い食文化の歴史を持っています。 そして独自の料理を生み出してきました。 イタ…

祝!イタリア料理がユネスコ無形文化遺産に

去年12月、イタリア料理がユネスコ無形文化遺産に 登録されました。 これまで「ナポリのピッツァ職人の技」が登録された 事例があります。 また、「イタリアのトリュフ探索と採取」が登録された 事例もあります。 特定の食文化が選ばれることは珍しくありま…

ワインにまつわるイタリアのことわざ

イタリアは世界有数のワイン好きの国ですから、 ワインにまつわることわざがたくさんあります。 ことわざの中にはワインを称賛するものが多く、 ワインを深く愛していることがわかります。 たとえば、「よいワインはよい血をつくる」という ことわざはよく知…

ワインに音楽を聴かせると美味しくなるのはなぜか

私たち人間は音楽を聴くと、楽しい気分になったり 心が安らいだり元気になったりします。 人間以外の動物たちや植物はどうなのでしょうか。 音楽に影響を受けることがあるのでしょうか。 ホニュウ類や鳥類には、音楽に関心を示す種や 楽曲を聞き分ける種もあ…

ドイツ軍からワインを守ったパリのレストラン

パリにある「トゥール・ダルジャン」は、1582年に創業した フランス最古のレストランです。 1582年は日本の歴史でいうと「本能寺の変」があった年です。 いかに古いレストランなのかわかります。 「トゥール・ダルジャン」は「トゥール・ド・アルジャン」を …

沈没船から見つかったワインはなぜ品質がよいのか

1872年にフィリピン沖で沈没したマリーテレーズ号から ワインが見つかったのは1991年のことです。 100年以上も海底に眠っていた約2.000本のワインは、 いずれも高級なヴィンテージでした。 ワインの品質は全く劣化することなく、むしろ熟成された 深い味わい…

パッションフルーツのパッションとは何か

キウイフルーツ、ドラゴンフルーツ、スターフルーツなど、 名前にフルーツがつく果実がいくつかあります。 キウイフルーツは、ニュージーランドの国鳥である キーウィに因んで名づけられました。 ドラゴンフルーツは、ドラゴンが噴き出す赤い炎に 似ているの…

グレープフルーツのグレープとは何か

グレープフルーツの「グレープ」とはブドウのことですが、 味がブドウに似ているわけではありません。 グレープフルーツの実が、まるでブドウの房のように たわわに実るので名づけられました。 おそらくグレープフルーツの実が生っているところを見て、 誰か…

「じゃばら」という名の幻の果実

「じゃばら」という名の柑橘類があります。 「幻の果実」とも呼ばれています。 なぜ幻なのかというと、一度失われかけた栽培が、 奇跡的に復活を遂げたからです。 もともと「じゃばら」が自生していた地域は、 和歌山県の北山村に限られていました。 じつは…

クランベリーのクランとは何か

クランベリーのクランは「クレーン」のことです。 英語で「鶴」を意味します。 花のかたちが鶴のくちばしに似ているので クランベリーと名づけられたそうです。 面白いことに、クランベリーは日本語名でも、 「ツルコケモモ」と呼ばれます。 ただし、ツルコ…

ローストターキーとクランベリーソースの甘い関係

アメリカでは11月の感謝祭(サンクスギビングデー)に ローストターキーを食べる習慣があります。 ローストターキーと言うと、おしゃれな料理に聞こえますが、 露骨に表現すると、七面鳥の丸焼きです。 七面鳥のお腹に詰めもの(スタッフィング)をしてから…

なぜ酢豚にパイナップルを入れるようになったのか

酢豚という料理名は日本で命名されました。 中国では通じません。 酢豚の原型となった料理は、広東省発祥の 「古老肉(グーラオロウ)」です。 角切りの豚バラ肉をいったん油で揚げてから、 野菜やパイナップルと一緒に炒めます。 醤油、老酒、トマトケチャ…

フルーツゼリーに入れてはいけないフルーツとは何か

ゼリーがゼラチンから作られることは知られていますが、 では、ゼラチンは何から作られるのでしょうか。 ゼラチンの主成分はコラーゲンであり、 コラーゲンはタンパク質の一つです。 主にセキツイ動物の皮革や骨などに含まれているので、 牛や豚のコラーゲン…

茶碗蒸しに入れてはいけない食材とは何か

茶碗蒸しは、溶き卵と出汁を合わせて蒸した料理です。 柔らかな卵の食感と出汁の美味しさが魅力です。 茶碗蒸しを心から愛する人は、具材を入れないそうです。 卵と出汁だけを味わうのが王道だと言います。 しかし、一般的に茶碗蒸しには季節の具材を入れま…

なぜ昭和の漫画はバナナの皮で滑って転ぶ場面がお決まりなのか

赤塚不二夫は昭和を代表する漫画家の一人であり、 ギャグ漫画の旗手として知られています。 名作「天才バカボン」「おそ松くん」など数多くの 人気の作品を生み出してきました。 漫画から生まれた「シェー」や「これでいいのだ」や 「レレレのレ」は流行語に…