おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

カツオのへそとは何か

カツオは魚類ですから、へそはありません。 ところが、カツオのへそと呼ばれる部位があります。 へそとはじつは心臓のことです。 焼肉でいえば、「ハツ」のことです。 心臓は筋肉の塊ですから、歯応えがあります。 こりこりした食感が特徴です。 これを味噌…

カツオのすり流し汁とは何か

カツオ一尾を丸ごと買うのでなければ作れない料理があります。 カツオの「すり流し汁」がその一つです。 カツオを三枚に卸すと、中央の骨の部分が残ります。 いわゆる「中落ち」と呼ばれるところです。 骨の間に身がついているので捨てるには惜しい部分です…

カツオの酒盗とは何か

カツオ一尾を丸ごと買うのでなければ作れない料理があります。 カツオの「酒盗」がその一つです。 酒盗とは、塩辛のことです。 塩辛は酒のつまみに最適な料理です。 旨い塩辛には旨い酒が付きものです。 酒が無ければ盗んでも飲みたくなります。 それが、酒…

ワラで焼いたカツオのたたきが美味しいのはなぜか

カツオの刺身は皮を引いて作ることが多いのですが、 江戸時代のカツオの刺身は皮つきでした。 美しい縞模様が銀色に輝くカツオの刺身は、 その名も「銀皮造り」といいます。 ただし、皮がついていると食べにくいので、浅く包丁目を入れます。 食べやすくなる…

カツオのたたきは本当にたたいて作るのか

「たたき」とは、肉や魚を包丁でたたいて作る料理のことです。 代表的な料理が「アジのたたき」です。 包丁で細かくたたくことによって表面積が大きくなります。 その分、薬味や調味料が馴染みやすくなります。 それがたたきの特徴であり、刺身とは違うとこ…

カツオはなぜ一本釣りするのか

カツオの一本釣りは昔から行われている漁法です。 文字通り、一本の釣り竿で一匹ずつ釣り上げます。 昔は魚群探知機がありませんでしたから、 目印になるのは、カツオドリでした。 カツオドリはイワシなどの小型の魚をエサとする海鳥です。 カツオもイワシな…

江戸っ子はなぜ戻りガツオが好きではないのか

初ガツオは初夏になると黒潮に乗って日本の近海にやってきます。 北上して三陸沖で夏を過ごすためです。 親潮と黒潮がぶつかる三陸沖は多くの魚が集まりエサが豊富です。 水温も低いので、カツオの身に脂が乗ります。 秋になると、今度は成長したカツオが産…

江戸っ子が大好きな初ガツオはどこから運ばれるのか

江戸っ子の初ガツオ好きは昔から知られていました。 青葉の季節になると待ちきれなくなるようです。 もともと江戸っ子は何でも初物が好きです。 よほど見栄っ張りなのでしょう。 しかし、残念ながらカツオは東京湾では獲れません。 最も江戸に近い漁場は三浦…