鶏卵は賞味期限の定まった生鮮食品です。
産卵から約2週間とされています。
一個ずつ、期限を記したシールが貼られたり、
インクジェットで表面に印字されています。
期限内に消費することはもちろん大切ですが、
購入後すぐに冷蔵庫で保存する必要があります。
ところが、お店では卵が常温で売られています。
なぜ低温で販売しないのでしょうか。
卵の表面には、目に見えない小さな穴が無数に開いています。
その数は、卵一個につき、およそ数千から一万以上です。
これは「気孔」と呼ばれる穴です。
卵はこの穴を通して呼吸しています。
もしお店で低温で販売されている卵を買うと、
店外の気温差によって結露してしまいます。
冷たい卵の表面に水蒸気が触れて水滴となるのです。
ちょうど卵が汗をかいたような状態になります。
水滴が気孔を塞いでしまうばかりではありません。
細菌を含む水分が卵に侵入してしまう危険性があります。
卵の品質に悪い影響を与えてしまうかもしれません。
ですから、お店では常温で売られています。
家庭では冷蔵庫に保存しなければなりませんが、
じつは卵には上下があります。
とがった方を下に、丸みのある方を上に保存します。
丸みのある方に、卵の「気室」があります。
気室とは、空気の溜まっているところです。
上にあることによって卵の黄身が安定します。
もちろん新鮮なうちに食べるのが大切です。
安全なだけでなく美味しくいただけるからです。