卵の新鮮さは濃い塩水に入れると分かります。
新鮮な卵は沈みます。古い卵は浮かびます。
卵の殻の表面には目に見えない気孔が無数にあります。
時間が経つとそこから水分が蒸発していきます。
水分が少なくなると卵の中の気室が大きくなって軽くなります。
そのため浮きやすくなります。
また卵を割って確かめる方法もあります。
黄身が盛り上がっていて白身が広がっていないものは新鮮な卵です。
そうでないものは古い卵です。
生で食べるときは特に鮮度に注意しなければなりません。
海外では日本と違って卵を生で食べる習慣がほとんどありません。
一つは衛生面に対する懸念という理由があります。
生食によって食中毒が引き起こされるのではないかという恐れです。
実際に海外で流通する卵は生で食べることを想定していないのではないでしょうか。
日本では洗卵されて検査されて無菌状態で包装されて出荷されます。
産卵日や賞味期限も表示されます。
日本の徹底した衛生管理は非常に高い水準にあります。
それは安心して生の卵が食べられることを前提としているからです。
生産者と流通業者のおかげです。
生卵を食べないもう一つの理由は食感です。
嫌悪感を持つ人が特に欧米には多いようです。
昔ロッキーという映画がありました。
無名のボクサーが一躍ヒーローになる感動的な話です。
映画の中でロッキーが体力をつけるためにいくつも生卵を飲む場面があります。
日本人なら驚きませんが欧米の人にとってはかなり衝撃的だったようです。
目玉焼きでさえ半熟を嫌って両面焼きにすることがあります。
両面焼きを英語でターンオーバーといいます。
片面焼きを英語でサニーサイドアップといいます。
日本では目玉焼きといえばほとんどが片面焼きです。
しかも黄身が固まり切らないとろりとした状態が好まれます。
滋味あふれる卵の旨みを堪能できるのは火を通し過ぎない食べ方です。
生卵を愛する日本の食文化をありがたく思います。