イタリアは日本に劣らない麺の食文化を持った国です。
イタリア語のパスタという言葉は英語のペーストと同じ語源です。
小麦粉を水で練ってペースト状にしたものはパスタと呼ばれます。
ですからケーキやパイやタルトもパスタの仲間です。
スパゲッティのような棒状のパスタをロングパスタといいます。
これは英語とイタリア語を組み合わせた日本語です。
スパゲッティは「ひも」を意味するスパーゴに由来します。
スパゲッティよりも細いパスタはスパゲッティーニと呼ばれます。
スパゲッティーニよりさらに細いパスタはフェデリーニと呼ばれます。
フェデリーニの語源はわかっていません。
「細い」を意味する言葉に由来するという説がありますが、
イタリア語で「細い」はフェデーレではなくソッティーレといいます。
フェデーレは「忠実な」という意味です。
フェデリーニは忠実な製法で作られたのでしょうか。
フェデリーニよりさらに細いパスタはヴェルミチェッリと呼ばれます。
「細長い虫」を意味するヴェルメに由来します。
ヴェルミチェッリよりさらに細いパスタはカペッリーニと呼ばれます。
「髪の毛」を意味するカペッロに由来します。
最も細いパスタはカペッリーニ・ダンジェロです。
「天使の髪の毛」という意味です。
太さは0.9ミリメートル以下です。
乾燥パスタはデュラムセモリナと水で作ります。
イタリアの法律でパスタ生産者に義務づけられているそうです。
デュラムセモリナとはデュラム小麦のセモリナ粉です。
デュラム小麦は硬質でグルテン質が多くパスタに向いている小麦粉です。
コシが強く茹でるとパスタ独特の食感が生まれます。
セモリナ粉は粗挽きの粉のことです。
さらに細かく粉末にすると通常の小麦粉になります。
パスタのやや黄色っぽい色はセモリナ粉の色です。
茹で上げると琥珀色に輝きます。
デュラムセモリナはまさにパスタのために生まれてきました。