コロンブスの卵という話があります。
簡単なことでも最初に思いつくのが難しいことのたとえです。
コロンブスがアメリカに到達したことを祝う晩餐会がありました。
その中にコロンブスの業績を妬む人がいました。
新大陸発見は別に大したことではない。
西に進めば誰でも簡単に大陸に着くことができると。
そこでコロンブスは、卵を食卓に立ててみるように出席者に言いました。
しかし誰が挑戦しても卵を立てることができませんでした。
コロンブスは卵を一つ手に取ると底を軽く打ちつけて立ててみせました。
見ていた人々はあっけに取られました。
それはずるい。そんなことをすれば誰でもできる。
コロンブスは平然として言いました。
人がした後は何事も簡単に思えるものなのです。
このコロンブスの卵の話は戦前の小学校の教科書に載っていたそうです。
ほとんど日本でしか知られていない話です。
コロンブスの生まれ故郷とされるジェノバでも全く知られていません。
今では教科書からこの話は姿を消してしまいました。
それはコロンブスの歴史的な評価が変わったからです。
現代におけるコロンブスは新大陸の発見者というよりも
先住民に対する残虐な侵略者とされています。