おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

鰻丼と鰻重

鰻丼と鰻重の違いは何でしょうか。

 

どちらもご飯の上に鰻の蒲焼きを乗せてタレをかけた料理です。

しかし食器の形状が料理の質に大きく影響します。

 

丼は陶器ですから保温性が高いのが特徴です。

お重は漆器ですから、その点はやや不利です。

 

しかしお重は何段も重ねることができます。

上と下の段にお湯を張って温める使い方もあります。

 

出前や配達をするにはお重の方が有利です。

一度に重ねて持ち運ぶことができます。

 

見た目の印象も違うようです。

丼は庶民的ですが、お重は高級感があります。

 

長い鰻を乗せるには長方形のお重が適していますが、

ご飯が見えなくなるほど鰻が重なる丼も魅力です。

 

質的には同じでも量的には差があります。

通常、お重は丼の1.5倍に相当するそうです。

 

お重はご飯を均等に盛ることができますが、

丼はどうしても中心部分のご飯が多くなります。

 

しかしタレのしみ込んだ丼の底のご飯は美味しいものです。

 

丼もお重もそれぞれ一長一短あるようです。

それは天丼と天重、カツ丼とカツ重も共通しています。

 

結局どちらが選ばれるかは、食べる人のお好み次第です。