おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

レタスはなぜ手でちぎるのか

レタスは包丁で切らずに手でちぎります。

それはなぜでしょうか。

 

レタスにはポリフェノールが含まれているからです。

それが包丁の金属と反応して変色します。

 

切り口が茶色になってしまうので包丁を使いません。

 

また、手でちぎることで断面積が大きくなるので

ドレッシングがからみやすくなります。

 

ところで、レタスだけを使ったサラダのことを

ハネムーンサラダ」といいます。

 

ネムーンは、結婚した当月のことをいいます。

新婚夫婦は二人きりで過ごしたいと願います。

 

「私たちを二人きりにして」を英語でいうと

「レット・アス・アローン」です。

 

「レタスだけ」を英語でいうと

「レタス・アローン」です。

 

この発音がたいへんよく似ているので、

ハネムーンサラダ」と呼ばれます。

 

レタスはもちろん手でちぎります。

 

「ちぎる」は「千切る」という意味だけでなく

「契る」にも通じるからです。

 

夫婦になることを古語では「契る」といいます。

レタスをちぎることはめでたいことでもあります。

 

包丁を使って切ると、夫婦の縁を絶ち切ることになります。

ですから、夫婦円満のためにもレタスは手でちぎります。