食べものとは関係のない気象現象の用語ですが、
「みぞれ」とは雪と雨が混ざったものを指します。
「ひょう」と「あられ」は積乱雲から降ってくる氷の粒です。
直径5ミリ以上のものを「ひょう」、それ未満を「あられ」と呼びます。
お菓子の「あられ」は「あられ餅」の略です。
餅を細かく割って焼いた米菓です。
空から降ってくる「あられ」に由来する命名でしょうか。
じつは「あられ」も「おかき」も原料と製法は同じです。
包丁で割ったものを「あられ」、槌で割ったものを「おかき」と呼びます。
「あられ」は調理の用語にも使われています。
「あられに切る」といえば材料を賽(さい)の目に切ることを意味します。
たとえば「あられ豆腐」はサイコロ状に切った豆腐を油で揚げた料理です。
江戸時代の料理の本「豆腐百珍」にも載っています。
塩を振ってシンプルにいただきます。
懐石料理では雅やかに「松露」と呼ぶそうです。
ところで、「あられ丼」という名の料理があります。
マグロ、サーモン、白身魚などを「あられ」に切ってご飯の盛った丼です。
卵焼き、キュウリ、アボカド、シイタケを具に使うこともあります。
それは「海鮮丼」ではないかと思われるかもしれません。
あるいは「ちらし寿司」と思われるかもしれません。
じつは「あられ丼」に明確な定義があるわけではありません。
「海鮮あられ丼」や「海鮮ちらし丼」と称することもあります。
取りあえず具を賽の目に切ってあれば「あられ丼」ですが、
賽の目だけに、名称は「出たとこ勝負」なのでしょう。