おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

赤い豆腐は本当に存在するのか

赤豆腐というと、お坊さんの使う隠語です。

マグロの刺身のことを指します。

 

しかし、赤い豆腐は本当に存在します。

沖縄の「豆腐よう」がそうです。

 

一体どのような豆腐なのでしょうか。

 

沖縄では昔から豆腐作りが盛んです。

それは養豚が盛んだからです。

 

豆腐を作る過程でできる「おから」を豚の飼料とするのです。

沖縄の豚肉料理が美味しいのは豆腐のおかげです。

 

もちろん豚肉だけでなく沖縄の豆腐料理も美味しいです。

ゴーヤチャンプルーは沖縄の代表的な豆腐料理です。

 

沖縄の豆腐は、島豆腐と呼ばれています。

独自の製法によって作られる豆腐です。

 

豆乳の味が濃く、食べ応えがあるのが特徴です。

チャンプルーのような炒めものにも向いています。

 

その島豆腐を泡盛、米麴、紅麹に漬けたのが豆腐ようです。

島豆腐が発酵熟成して独特の風味が生まれます。

 

豆腐とは思えないほどのとろりとした食感です。

まるでチーズのような濃厚な味です。

 

紅麹を使っているために色が赤くなります。

まさに赤い豆腐です。

 

チーズがフランスのワインによく合うように、

豆腐ようは沖縄の泡盛によく合います。

 

年代物の泡盛は古酒(くーすー)と呼ばれますが、

豆腐ようは、その最高の相棒です。

 

豆腐ようを一口味わい、古酒を一口味わう。

これ以上の人生の至福はありません。

 

沖縄が長寿県であるのも納得できます。