イワシとサバとサンマは青魚三兄弟です。
今回はサンマの話です。
落語に「目黒のサンマ」という演題があります。
お殿様が目黒に鷹狩りに出かけて初めてサンマを食べる噺です。
江戸時代、サンマは下魚と呼ばれ庶民の食べものでした。
とてもお殿様が口にするような魚ではありませんでした。
ところがお殿様は鷹狩りですっかりお腹を空かせてしまいます。
そこに目黒の近在の農家からサンマを焼くいい匂いが漂ってきます。
お殿様は渋る家来に命じてサンマを持って来させます。
その焼き立てのサンマの旨いこと旨いこと。
お殿様はすっかりサンマが大好きになってしまいました。
縁あってお殿様が再びサンマを食べる機会がありました。
しかし家来たちの要らぬ気遣いのためにせっかくのサンマが台無しになります。
一口召し上がってあまりに不味いのでお殿様は家来に尋ねます。
このサンマはいずこより仕入れたか。
はっ、日本橋の魚河岸にて求めてまいりました。
ううん、それはいかん。サンマは目黒に限る。
何度聴いても面白い噺です。
東京の目黒では毎年サンマ祭りが行われています。
岩手、宮城から直送の新鮮なサンマの塩焼きが振る舞われます。
昨年はサンマが記録的な不漁でしたが今年は盛り上がるといいですね。
さて10月4日はイワシの日です。3月8日はサバの日です。
ところがサンマの日というのはありません。
そこで9月30日はいかがでしょうか。
「食うぞサンマ」で930です。