イワシとサバとサンマは青魚三兄弟です。
今回はサバの話です。
サバもイワシに負けないほど日本人に馴染みの深い魚です。
昔は漁獲量も多く大衆魚として親しまれてきました。
塩焼きにしたり味噌煮にしたり締めサバにして食べられますが、
刺身で食べられることはほとんどありません。
サバの生き腐れといわれるほど鮮度が落ちるのが早いからです。
大量に獲れたサバは昔から塩や麹で漬け込んで保存されてきました。
いわゆる「なれずし」という発酵食品です。
現代のお寿司の原型ともいえる食べものです。
「サバを読む」という言葉は大雑把に数えることを意味しますが、
一匹ずつ正確に数える必要がないほど大量にサバが獲れたことに由来します。
今は漁獲量も減ってサバを読むことはなくなりました。
イワシと違ってサバにはブランドがあります。
関サバは豊後水道で水揚げされるサバです。
関アジと並ぶ高級魚です。
松輪サバは神奈川県三浦市の松輪漁港で獲れるサバです。
黄金のサバとも呼ばれ刺身でも食べられることもあります。
大型で脂の乗りが抜群によいサバです。
最近「お嬢サバ」というブランドが出たそうです。
お嬢さまのように大切に育てられたのでしょうか。
サバは一年を通して水揚げされますが秋に旬を迎えます。
脂の乗った秋サバは最高においしいです。
秋サバは嫁に食わすなという言葉が古くからあります。
昔は嫁いびりの意味に解釈されてきましたが近年は違います。
脂が多すぎることを気遣う優しい言葉と理解されています。
おいしいからといって食べすぎには注意しましょう。