おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

タケノコはなぜ米糠で茹でるのか

タケノコは鮮度が命です。

鍋を火にかけてから掘れと言われるほどです。

 

採れ立てのタケノコは生でも食べられますが、

時間が経つにつれてえぐ味が出てきます。

 

料理の前に下茹でしなければなりません。

 

タケノコの皮に切り込みを入れて皮ごと茹でます。

一緒に米糠と鷹の爪を入れます。

 

なぜでしょうか。

 

米糠を入れるのはアクを抜くためだけではありません。

タケノコの風味を増す効果もあります。

 

また、鷹の爪にはカプサイシンが含まれます。

タケノコのえぐ味と雑味を取ってくれます。

 

米糠を入れると吹きこぼれやすくなります。

注意しながら一時間ほど茹で上げます。

 

タケノコに竹串がすっと入ったら茹で上がりです。

火を止めて茹で汁に浸けたまま冷まします。

 

冷めたら皮を剥き、米糠を洗い落して料理します。

保存するときは茹で汁に浸けておきます。

 

米糠がないときは、重曹を使っても構いません。

ただ、色が悪くなり苦味が出るのが難点です。

 

やはり米糠を方がまろやかな風味に仕上がります。