おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

アラの鍋は贅沢か貧相か

魚の身を下ろした残りをアラと言います。

魚の骨と頭とヒレの部分です。

 

食べるところは少ないのですが、旨みがたっぷり残っています。

捨ててしまってはもったいない部分です。

 

アラは鍋料理に使うと美味しくいただけます。

まずは汚れと生臭みを取り除かなければなりません。

 

塩を振ってしばらくおいてから全体に熱湯をかけます。

たっぷりの水で洗ってウロコや血合いを落とします。

 

キッチンペーパーで水気を切って準備ができました。

大根と一緒に炊き合わせると美味しいアラ鍋ができます。

 

一見するとアラ鍋は貧相に思われるかもしれません。

しかしながら、なかなか奥深い味わいの鍋料理です。

 

ところで、アラという名前の魚がいます。

じつはクエのことです。

 

主に西日本の海域で獲れる魚です。

このクエのことを九州ではアラと呼ぶそうです。

 

クエは一般の魚屋さんでは扱っていません。

料亭やお寿司屋さんにしか流通しない高級魚です。

 

食材としての価値は、本マグロやフグを超えます。

「クエを食えたら他は食えん」と言われるほどです。

 

残念ながら私はまだ食べたことがありませんが、

淡白でありながら味わい深い白身魚だそうです。

 

このクエを使った鍋も、九州ではアラ鍋と呼びます。

寒い時期に旬を迎える魚ですから、鍋料理には最適です。

 

11月には福岡で大相撲九州場所が開催されます。

相撲部屋ではアラを使ったちゃんこ鍋が恒例です。

 

アラ鍋を楽しみに土俵を頑張る力士も多いそうです。

最高に贅沢な鍋料理です。