あん肝は居酒屋さんの定番メニューとしてお馴染みですが、
家庭でも美味しく料理することができます。
その秘訣は下準備にあります。
料理する前にしっかり処理することがコツです。
魚屋さんで売られているあん肝はすでに血抜きされています。
乳白色のつやつやぷりぷりのものを選びましょう。
ところどころオレンジ色の縞が見えますが、あん肝の脂です。
ほどよく脂の乗ったものがねっとりした舌触りを楽しめます。
アンコウは一尾が丸ごと売られることがほとんどありません。
家庭で捌くのが難しいからです。
ごく稀に小型のアンコウが店頭に並ぶのを見かけることがあります。
それはオスのアンコウです。
じつは、魚市場に出回る大型のアンコウはほとんどがメスです。
生態的にオスの体はメスよりずっと小さく商品価値がないのです。
魚市場に出てもメスに比べると信じられないほど安値がつきます。
それでも水揚げされて店頭に並べばまだいい方かもしれません。
気の毒に海でメスに食べられてしまうオスも少なくありません。
哀れなオスに同情して一尾を丸ごと買い求めるのもお得です。
身が小さければ吊るし切りにする必要もありません。
しかし捌いてみると、情けないほど小さなあん肝が出てきます。
やはり、あん肝は単体で買い求めた方がいいようです。
あん肝には血管と薄皮がついています。
血管は包丁で切り取り、薄皮は指で丁寧に引きはがします。
また、血抜き処理されていてもまだ血が残っていることもあります。
包丁で切り込みを入れて軽く押さえ、血を搾り出しましょう。
こうした一手間は生臭みを取るために大切なことです。
塩を振って、たっぷりの日本酒に30分程度浸しておきます。
キッチンペーパーで水気をよく切って下準備ができました。
アルミホイルであん肝を円筒状に巻いて包みます。
両端をキャンディーのようにひねっておきます。
何か所か爪楊枝で刺して穴を開けておきます。
蒸し器に入れて20分ほど強火で蒸し上げます。
火が通ったかどうか確認するときは爪楊枝で刺してみましょう。
中からオレンジ色の脂が流れ出てこなければ出来上がりです。
粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷やします。
熱いうちに切ると身が崩れてしまうので注意しましょう。
よく冷えたらアルミホイルを外して一口大に切ります。
器に盛って、刻んだ小葱ともみじおろしを添えて完成です。
ポン酢でいただくととろりとした濃厚な美味しさを味わえます。
ぜひお試しください。