中華丼はご飯の上に八宝菜を盛りつけた料理です。
ご飯に盛らないときは普通の八宝菜定食です。
八宝菜はもともと広東料理といわれています。
肉や魚介類や野菜を使った五目うま煮の一種です。
八宝菜に使われる具材は必ずしも八種類とは限りません。
八という数字は数が多いことを意味しています。
ご飯の上に餡かけの料理を盛って食べると格別の美味しさがあります。
その美味しさは米を主食とする中国でも日本でもよく知られています。
ですから八宝菜をご飯に盛る食べ方は昔から中国にあったと思います。
ただし当然のことながら中国の人々はそれを中華丼とは呼びません。
中華丼という呼び方は日本で生まれました。
少なくとも昭和初期にはそう呼ばれていたそうです。
中国語で何と発音するのか分かりませんが、「什錦曾飯」という料理が
日本の中華丼に近いのではないかと思います。
中華料理店には中華丼がないと私はずっと思っていましたが、
横浜中華街のお店に中華丼があるのを知って驚きました。
お店の方に伺うと、中華丼を食べたいというお客さんの要望が多いそうです。
名称は何であれ美味しく召し上がっていただきたいとおっしゃっていました。
料理人としてたいへん立派な心構えだと思います。
それが横浜中華街の人気を支えている理由でしょうか。
その中華街では昔から「包子」という点心が売られていました。
今の「中華まん」の原型です。
ちなみに中に具が入っていないものは「饅頭」と呼ぶそうです。
中国語の発音は分かりませんが。
中華まんという呼び名は日本で生まれました。
肉まんや豚まんとも呼ばれます。
もちろん中国の人々は中華まんとは呼びません。
発音は分かりませんが、包子と呼びます。
小麦粉を練った生地で素材を包むことによって
その旨みを封じ込めた理想的な料理法です。
古代中国の人々は美味しい食べ方をよく知っていたのでしょう。