山芋と長芋は何が違うのでしょうか。
じつはたいへんややこしい話なのですが、
違うものでもあり同じものでもあります。
そもそも山芋という品種はありません。
学術的には「山の芋」というのが正式な名称です。
山野に自生する自然薯のことを指します。
里芋に対する呼称として使われてきました。
自然薯は「ヤマノイモ科」の日本原産の植物です。
それに対して長芋は中国原産と考えられています。
「いちょう芋」や「つくね芋」も長芋の一種です。
ところが「いちょう芋」や「つくね芋」は長芋と形が異なります。
そのため長芋と区別して「大和芋」と呼ばれることがあります。
本当は「いちょう芋」と「つくね芋」と「大和芋」は別の品種です。
つまり流通における商品の名称と品種の名称が一致していないのです。
このわかりにくさは消費者を混乱させてしまいます。
そこで山芋も長芋もあえて明確に区別しないで扱っているようです。
ですから山芋と長芋は違うものでもあり同じものでもあります。
もっともすり卸してしまえばどちらも「とろろ」になりますが。