フランス語でジャガイモのことをポムドテール(大地のリンゴ)といいます。
イタリア語でトマトのことをポモドーロ(黄金のリンゴ)といいます。
ジャガイモもトマトも15世紀の末にヨーロッパに伝わりました。
どちらも食用として認められるまで長い時間がかかりました。
見知らぬものを食べることに抵抗があったのかもしれません。
見知らぬものを親しむには馴染みのある名前を使うことが有効です。
そのためわかりやすくリンゴになぞらえたのでしょう。
わかりやすくない名前の代表的な野菜がチコリーです。
英語のチコリーとフランス語のアンディーヴは同じ野菜です。
英語のエンダイヴとフランス語のシコレは同じ野菜です。
どちらもヨーロッパではよく知られている野菜です。
どうして名前が入れ替わってしまったのか不思議です。
チコリーをアンディーヴと呼ぶのはフランスとカナダだそうです。
同じフランス語圏でもベルギーではアンディーヴといいません。
イタリアではチコリーをチコーリアといいますが、
チコリーを品種改良した野菜をラディッキオと呼びます。
ラディッキオ・ロッソは日本でも高級食材として珍重されています。
ただし日本語ではトレビスという名前の方が知られています。
本当に紛らわしい名前の野菜です。