握り寿司に蝦蛄(しゃこ)というネタがあります。
エビとカマキリを合わせたような怖い姿をした甲殻類です。
その姿を見ると食べることを躊躇してしまうほどです。
獲れたての蝦蛄を茹でて殻をむいて寿司ネタにします。
エビとはまた違った味わいがあります。
古くはシャクナゲと呼ばれたそうです。
茹でたときの色がシャクナゲの花にいるからです。
それが転訛してシャコになりました。
海底の砂の中に棲み、他の甲殻類や魚貝類をエサとしています。
かなり攻撃的で獰猛な性格です。
月夜に獲れた蝦蛄は身が締まって旨いと言われています。
浜辺に出てきた蝦蛄は月の光に照らされた自分の影を見ます。
その影があまりに恐ろしくて逃げ回るそうです。
ところがいくら逃げても影が追いかけてきます。
走り回っているうちに身が締まって旨くなるそうです。
お寿司屋さんに聞いた話です。
実際は浜辺で蝦蛄を獲ることはありませんが面白い話ですね。