柚子胡椒は胡椒ではありません。
青柚子と青唐辛子で作る香辛料のことです。
九州地方では唐辛子のことを胡椒と呼び地域があります。
歴史的に唐辛子よりも胡椒の方が早く伝来したためです。
柚子胡椒は青柚子と青唐辛子を細かく刻んで塩につけたものです。
じつに簡単ですが、さまざまな料理に応用できます。
鍋物の薬味や焼き魚に添えると香りが豊かになりますが、
しかしそれだけではありません。
意外のことにパスタにとてもよく合います。
ハラペーニョを使ったタバスコに近いと思います。
薄く切ったニンニクをオリーブオイルで炒めて
火が通ったところに茹で上げたパスタを絡めます。
火と止めてから柚子胡椒を和えて完成です。
ペペロンチーニに負けない香りと美味しさです。
ところで最近、青柚子ではなく完熟した柚子を使っても
柚子胡椒が作れることを知りました。
当たり前の話かもしれませんが、
完熟した柚子の方が香りが数段上です。
しかし青唐辛子との香りのバランスを考えると
円熟した香辛料とはいえません。
昔の人はそこまで考えて柚子胡椒を作っていたのですね。
やはり先人の知恵には敵いません。