ダイダイは、お正月の鏡餅に飾る果実として知られています。
代々子孫が繁栄することを意味する縁起のよい果実です。
一つの果実が、何年も落ちることなく木に生り続けます。
そのため何代もの果実が同じ木に生っています。
代々にわたって家族が仲睦まじく暮らしているように見えるので
ダイダイと名づけられました。
秋に黄色く実った果実が翌年の夏には緑色に戻ります。
回青橙(かいせいとう)とも呼ばれています。
しかしダイダイは酸味と苦味が強く、生食には向いていません。
果汁を「ダイダイ酢」として利用します。
ちなみに戦国時代には、「ダイダイ侍」という言葉がありました。
飾りになるだけで役に立たない武将のことだそうです。
実際にダイダイは、正月飾り向けに出荷されています。
年が明けると市場には出回らなくなります。
本当は1月から2月にかけて甘さが増してくるのですが、
その時期にほとんど見かけなくなります。
かわいそうな気もしますが、ダイダイの名誉のためにいうと
ダイダイは決して役に立たない果実ではありません。