
「パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム」は、
「サイモンとガーファンクル」のアルバム名です。
収録されている「スカボロー・フェア」という楽曲の中に、
パセリ、セージ、ローズマリー、タイムが歌われています。
ハーブを題材にした歌かというと、そうではありません。
元の恋人へ思いを伝えるちょっと難解な歌です。
パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイムという歌詞が
繰り返されて、不思議なほど静謐な世界が作られています。
もともとはイギリスに古くから伝承されている詩ですが、
サイモンとガーファンクルが楽曲にアレンジしました。
美しい旋律とサイモンとガーファンクルのハーモニーが、
聴く人の心に深い感動を与えてくれる名曲です。
ところで、パセリ、セージ、ローズマリー、タイムの中では、
パセリが最も地味な花を咲かせます。
パセリは栄養価が高く、実用的な香草ですが、
花は決して美しいとは言えません。
そのパセリをこれほどまで芸術的に歌った曲は
他にありません。
セージも、肉の臭みを消してくれる実用的な香草です。
肉料理との相性がよいことで知られています。
古くからソーセージを作る際に使われていることから、
ソーセージの語源ともされています。
ただし、パセリに比べるとセージは美しい花を咲かせます。
セージはサルビアの近種であり、花の色も多彩です。
ローズマリーもたいへん美しい花を咲かせます。
やや青みがかった白い花が特徴です。
ローズマリーの名称は、聖母マリアに由来するそうです。
「マリアのバラ」が語源と言われています。
聖母マリアが幼いイエスを抱いてヘロデ王の迫害から
逃れるときに、疲れ果てて休息を取りました。
たまたま、そこはローズマリーが生い茂る野原でした。
一面に白い花が咲き乱れていました。
イエスを包んだマントは青かったので、白い花の中では
ヘロデ王の追手に見つかってしまいます。
ところが不思議なことに、聖母マリアが眠っている間に、
ローズマリーの花は青い色に変わりました。
おかげで、幼いイエスは追手に見つからずに済みました。
そのときからローズマリーの花は薄い青になりました。
タイムは種類が多く、花の色もさまざまです。
白もピンクも紫色もあります。
香りもさまざまで、香草として幅広い用途があります。
シチューなどの煮込み料理によく使われます。
また、ハーブティーとして飲まれることもあれば、
お香として焚かれることもあります。
古代エジプトでは、王族のミイラを作るときの防腐剤に
用いられたそうです。
ところで、パセリ、セージ、ローズマリー、タイムから
パセリを除いてラベンダーを加えます。
すると、ラベンダー、セージ、ローズマリー、タイムには、
ある共通点があります。
17世紀にヨーロッパでペストが大流行したとき、
感染防止のために一役買ったことです。
酢に浸した4種の香草を部屋に置き、空気を清めました。
そのため「4人の泥棒の酢」と呼ばれました。
名前の由来は、ペストが大流行して社会が混乱したときに、
泥棒だけが大活躍したからです。
ラベンダー、セージ、ローズマリー、タイムにとって、
あまり嬉しくない名前かもしれません。