おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしいことばを探してみましょう。

イギリスではイングリッシュマフィンは何と呼ばれているのか

 

イングリッシュマフィンは、丸く平らな形をしたパンです。

表面にコーンミールがまぶされています。

 

本家イギリスを始めとして、アメリカ、カナダ、オーストラリア、

ニュージーランドなどで日常的に食べられています。

 

食べるときは、水平に二つに割いてトーストしますが、

ナイフを使わず、フォークで割くのが伝統です。

 

フォークをイングリッシュマフィンの側面に差し込み、

くるりと一周して二つに切り分けます。

 

ナイフで切ったときと違って、切り口がでこぼこになりますが、

じつはそれが美味しさの秘訣です。

 

でこぼこの方が、トーストしたときに焦げ目がつきやすく、

カリッと焼き上がるからです。

 

表面にバターを塗って、お好みでベーコンや卵やチーズなどの

具を乗せて食べます。

 

イングリッシュマフィン同士をはさんで、サンドイッチに

することもあります。

 

ベーコンとポーチドエッグを乗せてオランデーズゾースを

かけた料理は「エッグベネディクト」と呼ばれています。

 

ベネディクトとは、この料理を発案した人物名であるとも、

注文した人物名であるともいわれています。

 

ところで、イギリスではイングリッシュマフィンを

何と呼んでいるのでしょうか。

 

もちろん、イングリッシュマフィンとは呼びません。

ただの「マフィン」と呼んでいます。

 

わざわざイギリスで「イギリス風の」という必要がないからです。

イングリッシュマフィンという呼称はアメリカで生まれました。

 

伝わった当初はアメリカでも、ただのマフィンと呼ばれましたが、

独自の新しいマフィンがアメリカで誕生しました。

 

生地に酵母を混ぜ、発酵させて焼く従来のマフィンではなく、

ベーキングパウダーを使ったマフィンです。

 

カップ状の型に入れて焼き上げるため、焼き菓子のカップケーキに

たいへんよく似ています。

 

実際にドライフルーツやナッツやチョコレートを混ぜることもあり、

パンというよりは焼き菓子に分類されています。

 

焼き菓子と区別するために、従来のパンをイングリッシュマフィンと

呼ぶようになったそうです。

 

ではイングリッシュマフィンに対して、アメリカで誕生したマフィンは

何と呼ばれているのでしょうか。

 

一応「アメリカンマフィン」という名前があることはありますが、

アメリカではもちろん「アメリカンマフィン」と呼びません。

 

ただの「マフィン」と呼んでいます。わざわざアメリカで

アメリカ風の」という必要がないからです。

 

この呼称は日本でも受け継がれ、焼き菓子のことをマフィンと呼び、

パンのことをイングリッシュマフィンと呼んでいます。