
クロワッサンはフランス人になくてはならない食べものです。
すべてのフランス人にこよなく愛されています。
その理由は、クロワッサンとカフェオレの組み合わせが、
フランスの朝食の定番だからです。
サクサクとした食感は、クロワッサンの大きな魅力です。
バターをパン生地に塗り込んで焼くことで生まれます。
パン生地を伸ばして、バターを均一に挟んで折りたたみます。
その作業を繰り返すことで、多重の薄い層ができるのです。
一般にクロワッサンの層は、標準的な折りたたみ方をすると、
3×3×3の27層になるそうです。
クロワッサンはフランス語で「三日月」という意味ですが、
広義では「上弦の月」のことを指します。
「成長する」という意味の動詞「クロワートル」の派生語で、
満月に成長しつつある状態を示しています。
ところで、なぜクロワッサンと名づけられたのでしょうか。
クロワッサンの語源については、いくつかの説があります。
オスマントルコの国旗に由来するという説が最も有力です。
首都ウィーンは、大軍によって包囲されてしまいましたが、
ヨーロッパ各地から続々と援軍がウィーンに駆けつけました。
激戦の末、ついにオーストリアが戦いに勝利しましたが、
その勝利を祝って作られたのが、三日月形のパンです。
オスマントルコの国旗に描かれた三日月を型取っています。
「敵を食う」という意味だったのかもしれません。
ただし、オスマントルコの国旗に描かれた三日月の向きは、
フランス語で言うならば、「クロワッサン」ではなく、
「デルニエール・カルティエ」です。
おそらく、次第に細っていく月よりも成長していく月の方が、
印象がよいので「クロワッサン」になったのでしょう。
ところで、オーストリアの勝利で生まれたクロワッサンが、
なぜフランスに広まったのでしょうか。
一説では、マリー・アントワネットがクロワッサンの製法を
フランスに伝えたとも言われています。
マリー・アントワネットはオーストリアの王家の出身です。
ルイ16世と結婚してフランス王妃となりました。
そのとき、オーストリアから多くの宮廷料理人と一緒に
お気に入りのパン職人をフランスに連れてきました。
マリー・アントワネット王妃が好んだクロワッサンが、
貴族階級にも広まっていったと考えられます。
しかし、贅沢を尽くしたマリー・アントワネット王妃は、
フランス国民の困窮を全く理解していませんでした。
「パンがなければケーキを与えよ」という有名な言葉が
伝えられています。
もしかしたらマリー・アントワネット王妃にとって、
そのパンとはクロワッサンだったかもしれません。