
名前にフルーツがつく果実がいくつかあります。
キーウィに因んで名づけられました。
ドラゴンフルーツは、ドラゴンが噴き出す赤い炎に
似ているので名づけられました。
スターフルーツは、輪切りにしたときの切り口が
星型になることに由来して名づけられました。
ただし、トロピカルフルーツは違います。
特定の果実を指す名称ではありません。
パイナップル、バナナ、マンゴー、パパイヤなど、
熱帯地域で栽培される果実の総称です。
では、パッションフルーツの「パッション」とは
何でしょうか。
パッションは英語で情熱や愛情を意味するので、
「情熱的な果実」と思われることがあります。
たしかに、赤紫色の果皮は情熱的に見えますが、
「情熱的な果実」という意味ではありません。
パッションには、もう一つ別の意味があります。
それはキリスト教の「受難」という意味です。
では、「受難の果実」という意味なのかというと、
それも違います。
パッションフルーツはパッションフラワーの実ですが、
そのパッションフラワーが「受難の花」なのです。
白と薄紫色の印象的な花を持っています。
花も美しいのですが、薬草の効能が古くから知られ、
先住民たちは鎮痛剤として利用していました。
16世紀になると、ヨーロッパの宣教師たちが、
布教のためにアメリカ大陸に渡ってきます。
ヨーロッパで見たことのないパッションフラワーを
初めて見た宣教師たちは驚きました。
まるでキリストの受難を象徴しているかのように
思われたからです。
花の中心に長く伸びている三本のメシベが、
キリストの十字架に見えたのです。
別の説によると、キリストの手足を十字架に
打ちつけた三本の釘にも見えたといいます。
また花弁が、受難のときにキリストが頭に被った
「茨の冠」にも見えたといいます。
夢の中で見たという「十字架の花」です。
宣教師たちはそう信じて、「受難の花」を意味する
「パッションフラワー」と名づけました。
ちなみに、パッションフラワーの日本語名は、
「トケイソウ(時計草)」といいます。
パッションフラワーの長く伸びた三本のメシベが、
時計盤の長針と短針と秒針に見えるからです。
もちろん「時計草」をそのまま英語に翻訳して
「クロックフラワー」といっても通じません。
同じくパッションフルーツを「クロックフルーツ」と
いっても通じません。
あまり知られていませんが、パッションフルーツの
日本語名は、「クダモノトケイソウ」といいます。
何だか堅実な印象があり、パッションフルーツとは
全く異なる果実のように感じられます。
やはり果物の名前は美味しそうでなければいけません。
パッションフルーツは素敵な名前だと思います。