
ローストターキーを食べる習慣があります。
ローストターキーと言うと、おしゃれな料理に聞こえますが、
露骨に表現すると、七面鳥の丸焼きです。
丸ごと一羽をオーヴンで焼き上げます。
日本でも家庭でローストターキーを焼く人が増えましたが、
まだまだ日本ではローストチキンが主流です。
ローストターキーがなかなか普及しない理由の一つは、
七面鳥を飼育する農家が日本に少ないからです。
国内で市販されているローストターキー用の七面鳥は、
ほとんどが輸入された冷凍品です。
チキンの身に比べると、七面鳥の身をかなり大きく、
家庭用のオーヴンに入らないこともあります。
それもまた、家庭でローストターキーに挑戦する機会が
少ない理由の一つです。
さらに、七面鳥の肉質はチキンよりずっと淡白です。
脂が少なく、食感もパサパサしています。
チキンには適度な脂があり、塩味だけでも十分に
美味しいのですが、七面鳥はそうはいきません。
塩味だけでは物足りないので、ローストターキーには
ローストターキー用のソースが必要です。
一般に使われるソースは、「グレイビーソース」です。
七面鳥を焼くときに出る肉汁を利用します。
肉汁を煮詰めて、塩、酢、胡椒、ワインで味を調え、
バターで炒った小麦粉でとろみをつけます。
しかし、感謝祭のローストターキーに使うのは、
グレイビーソースだけではありません。
感謝祭には、特別にクランベリーソースが使われます。
クランベリーを煮詰めた甘酸っぱいソースです。
肉料理に甘いソースは意外に思われるかもしれませんが、
ローストターキーにクランベリーソースはよく合います。
そもそも肉料理に砂糖を使って甘みをつけるのは、
決して珍しいことではありません。
たとえば、日本人に馴染みの深い焼き鳥や焼き肉には
砂糖を使った甘辛いタレが定番です。
また、トンカツや串カツに欠かせないソースには、
甘いフルーツが材料に用いられています。
イギリス生まれのウスターソースと違って、
日本のソースは甘みが強いのが特徴です。
甘いソースを使った肉料理は、じつは日本人の
好みにたいへんよく合っているのです。
クランベリーソースを使ったローストターキーも、
日本人には違和感がないと思います。
それどころか、クランベリーソースを使った和食も
創作できるのではないかと思います。
もしかしたら、今までに味わったことのない
新しい和食が生み出されるかもしれません。