「玉子は魚介類ではないのになぜ江戸前寿司のネタに使われるのか」は、次の4章を書いています。
「玉子は魚介類ではないのになぜ江戸前寿司のネタに使われるのか」
「江戸前寿司の通はなぜ初めに玉子から握ってもらうのか」
「お寿司屋さんの玉子焼きはなぜ冷めても美味しいのか」
「玉子焼きはなぜいつの時代も人々に愛されるのか」
江戸前寿司とは、江戸前の海、すなわち東京湾で獲れる魚介類を使った握り寿司のことです。当たり前かもしれませんが、江戸前寿司は江戸時代に江戸で生まれました。現代の握り寿司は、江戸前で獲れないサーモン、イクラ、ウニ、ホタテなどをネタにしますから、厳密にいうと握り寿司ではあっても江戸前寿司ではありません。江戸前寿司には寿司職人の強いこだわりがあるのです。
ところが玉子は別格です。江戸前どころか魚介類でさえないのに、江戸前寿司が生まれた当初からネタとして使われてきました。それはなぜでしょうか。おそらく江戸前寿司にとって玉子が特別な食材だったと考えられますが、その謎を探って執筆したのが「玉子は魚介類ではないのになぜ江戸前寿司のネタに使われるのか」です。
もちろん謎解きだけではなく、玉子焼きの美味しさと魅力についても綴っています。穴子のすり身が入った感動的に美味しい玉子焼き、冷めたときに美味しくなるように工夫されたお寿司屋さんの玉子焼き、あまり聞いたことがない珍しい玉子の壺焼き、天皇の料理番が終戦直後に作った玉子料理の逸話なども紹介しています。
玉子焼きの美味しさと魅力が読者に伝われば、玉子焼きを愛する一人としてこれに過ぎたる幸せはありません。