「青い魚をさばいて食す三十六の手作り料理」は、次の36品の青魚料理の作り方を紹介している。
鯵(アジ)
「アジのたたき」
「アジの酢締めと笹寿司」
「小アジの南蛮漬け」
「アジの塩焼き」
「アジフライ」
鰯(イワシ)
「イワシの酢締めと手毬寿司」
「イワシのつみれ汁」
「イワシの万年煮」
「イワシの生姜煮」
「イワシのさんが焼き」
鯖(サバ)
「締めサバ」
「サバの味噌煮」
「サバの竜田揚げ」
「サバの船場汁」
「サバ団子」
秋刀魚(サンマ)
「サンマの塩焼き」
「サンマの有馬煮」
「サンマの酢締めと棒寿司」
「サンマの蒲焼き」
「サンマのワタの塩辛」
鰤(ブリ)
「ブリ大根」
「ブリの照り焼き」
「ブリの酒粕漬け」
「ブリのしゃぶしゃぶ」
細魚(サヨリ)
「サヨリのお椀と骨煎餅」
「サヨリの天婦羅」
「サヨリの黄身酢和え」
「サヨリの昆布締め」
鰆(サワラ)
「サワラの西京焼き」
「サワラの幽庵焼き」
「サワラの甘酢あんかけ」
「サワラの酒蒸し」
飛魚(トビウオ)
「トビウオの姿造り」
「トビウオの霜降り」
「トビウオのなめろう」
「トビウオの薩摩揚げ」
「魚をさばけない」という人は今では珍しくなくなったが、昨今は「魚を触れない」という人も増えつつあり、切り身でさえ料理されなくなっている。じつにもったいない限りである。何がもったいないといって、これほど旨い食材をみすみす見逃しているのは、それはもったいない話である。
魚をさばくことも魚を料理することも、思ったほど難しいことではない。むしろ楽しいことである。初めは少し抵抗があるかもしれない。魚を切るのが怖いとか手に魚の臭いがつくといった声をよく聞く。しかしそれは貴重な経験である。生きものの命をいただくということが実感できるからである。他ではなかなか得がたい経験である。
そしてそこから受ける感動もまた大きいものである。自分でさばいた魚を自分で料理すると魚の個性を知ることができる。この魚はこんなに旨いのかと教えられる。そうした発見は何ものにも替えがたい喜びである。代償として手が魚臭くなることなど全く気にならないことである。これを見逃してしまってはもったいない話である。ぜひ旨い青魚料理を作って味わってほしい。