世界にはさまざまな宗教があり、
食べものの禁忌が定められています。
つまり、宗教上食べてよいものと悪いものが
厳格に決められています。
豚肉を食べることが許されません。
では、他の動物の肉であれば何でもよいかというと、
そういうわけではありません。
ユダヤ教で食べてよいものは「コーシャ」と呼ばれます。
ヘブライ語で「適正」という意味です。
それによると、牛や羊や山羊は食べてよく、
豚や馬やウサギは食べてはいけません。
また、ヒレとウロコを持つ魚は食べてよく、
エビやイカやタコは食べてはいけません。
「許される」という意味です。
家畜を屠殺するときも、イスラム教の戒律に従って、
イスラム教徒の手で処理しなければなりません。
そうした肉は「ハラールミート」と呼ばれます。
イスラム教徒が食べてよい肉のことです。
近年は、日本国内でもイスラム教徒のために
ハラールミートを取り扱う店が増えてきました。
ところで、私たちの身の周りには、
豚肉由来の食品が意外に多くあります。
たとえば、ゼラチンがそうです。
豚のコラーゲンを原料にしています。
ゼリーを勧めることはできません。
また、パンやケーキや焼き菓子の材料には、
ショートニングが含まれていることがあります。
サクッと焼き上げるために加える油脂のことです。
これも豚の脂肪から作られています。
自宅でパーティーを開くときは要注意です。
食べてよいものと悪いものをしっかりと
見極めなければなりません。