おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

「米粉」と書いて何と読む?

米粉」と書いて「ビーフン」と読む食材があります。

文字通り、お米の粉で作られる麺のことです。

 

一般には春雨のように細い麺として流通していますが、

うどん状やきしめん状の太いビーフンもあります。

 

英語では「ライスヌードル」と呼ばれています。

日本でもそう呼ばれることがあります。

 

ビーフンは中国福建省が発祥とされ、中国南部をはじめ、

台湾や東南アジアで日常的に親しまれています。

 

日本にビーフンが広まったのは戦後のことです。

アジアから引き揚げた人々が伝えたそうです。

 

日本では「焼きビーフン」が一般的な食べ方です。

肉類や野菜と一緒に炒めた料理です。

 

東南アジアでは「焼きビーフン」だけではなく、

スープに入れた「汁ビーフン」もあります。

 

長いビーフンの歴史があるだけに

さまざまな食べ方があります。

 

一方、「米粉」と書いて「こめこ」と読むこともあります。

お米を挽いて粉状にしたものです。

 

昔は「べいふん」「べいこ」と呼ばれていましたが、

近年は「こめこ」という呼称が一般的になっています。

 

お米の需要が減少する中で、消費拡大を目指すために

「こめ」を強調しているからです。

 

米粉を使った料理とその美味しさを知ってもらうことは

生産者にとっても流通業者にとっても大切なことです。

 

美味しいことだけが米粉の利点ではありません。

じつはグルテンフリーの食材です。

 

小麦粉アレルギーに苦しんでいる人々にとっては、

料理の幅を広げることが期待できます。

 

米粉パンはその一つです。

 

米粉ならではのモチモチとした食感は、

小麦粉パンとはまた違った美味しさです。

 

もともと日本では、団子、白玉、あられ、おこし、煎餅など

米粉を使った菓子が昔から親しまれてきました。

 

米粉パンを受容する食文化を持ち合わせています。

 

パンに限らず、米粉のケーキやパイやピザやパスタなど

新しい美味しさが増えることは喜ばしいことです。

 

世界的に小麦粉の価格が高騰している現状において、

食糧不足を救う一助になるかもしれません。

 

今後さらに米粉の需要が増えてほしいと願います。