バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣は19世紀に始まったそうです。
イギリスのチョコレート会社がギフトボックスを発売したことがきっかけです。
もともとバレンタインデーはチョコレートを贈る日ではありません。
愛する人たちと贈り物を交換して幸せを分かち合う日です。
必ずしもチョコレートでなく、花やカードを贈ることもあります。
しかし日本ではなぜかチョコレートに限定されてきました。
しかも女性から男性に贈る日とされてきました。
いわゆる日本型バレンタインデーです。
近年はこの習慣を疑問視する声もあり、少しずつ見直されています。
義理チョコのような形骸化を廃止する動きもあるそうです。
たしかに義理チョコは、本来の趣旨に相反するような習慣です。
本命チョコをもらえない負け惜しみで言うのではなく。
もう一つ、チョコレートに関して見直されていることがあります。
それは、児童労働を防ぐ取り組みが進んでいることです。
世界には、貧困のために労働を強いられている子どもたちがいます。
18歳未満の児童の約1割にも達すると見積もられています。
子どもたちは労働に時間を奪われて学校に行くことができません。
苛酷な労働環境や危険な作業も少なくありません。
児童労働の半数はアフリカで起きています。
その多くは農業に従事しています。
もちろんカカオ豆の生産国でも起きていると考えられます。
カカオ豆はチョコレートの原料ですが、主にアフリカで生産されています。
世界第1位はコートジボワール、2位はガーナです。
日本には主にガーナからカカオ豆が輸入されています。
輸入量の約8割がガーナ産です。
ガーナでも児童がカカオ豆生産に従事していることが懸念され、
チェック体制が強化されつつあります。
たとえば日本のあるチョコレート会社は、NPOと協力しています。
児童労働がないようにNPOがしっかり監視している地域や
就学支援している地域のカカオ豆だけを仕入れています。
そのためコストがかかり、カカオ豆の価格が割高になるのですが、
子どもたちの未来のために必要な取り組みです。
重労働から解放されて、子どもたちが学校に通うことができれば、
新しい知識や技術を学ぶことができます。
その子どもたちが大人になってさまざまな職業に就く機会が広がり、
貧困から脱することもできます。
国連のSDG’sでは、2025年までに世界のあらゆる児童労働をなくそうと
世界に呼びかけています。
ひとつ提案ですが、バレンタインデーはチョコレートを贈る日ではなく、
チョコレートのために働く子どもたちのことを思う日にしませんか。