おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

水餃子はパスタ料理か

中国の食文化圏を大別すると、二つの地域に分けることができます。

小麦を中心とした華北地方と、米を中心とした華中、華南地方です。

 

寒冷な華北地方では、今でこそ稲作が広く普及していますが、

昔は米がほとんど収穫されず、小麦の栽培が盛んでした。

 

餃子は、小麦粉の皮で作られますから、小麦の食文化圏に属します。

紀元前に華北地方で誕生したと考えられています。

 

現在でも餃子は華北地方、とくに北京料理の一つと見なされています。

しかし北京に限らず、中国の広い地域で食べられています。

 

日本では、餃子といえば「焼き餃子」が圧倒的に多いのですが、

本場の中国では、「水餃子」が主流だそうです。

 

また、日本の餃子のようにご飯のおかずとして食べることはなく、

餃子そのものが主食になっています。

 

餃子は一品だけで十分なメインディッシュになります。

まるでイタリアのパスタ料理に匹敵します。

 

水餃子というと、日本ではいわゆる「スープ餃子」を指しますが、

中国では、茹でた餃子のことを意味します。

 

水餃子は「水餃」、スープ餃子は「湯餃」と呼ぶそうです。

何と発音するかわかりませんが。

 

たっぷりのお湯で茹で上げてから、すくって湯切りして食べるので、

水餃子というよりは、「茹で餃子」に近いかもしれません。

 

茹でるときに皮が破れないように、やや厚めの皮を使います。

焼き餃子の皮のように薄くありません。

 

そのため食べ応えがあり、一品で十分にお腹を満たしてくれます。

まるでラビオリやニョッキやミネストローネのようです。

 

やはり水餃子は、イタリアのパスタ料理に匹敵します。