春はホタルイカの季節です。
刺身でも茹で上げても美味しい食材です。
傷みやすいので、昔は地元でのみ消費されていましたが、
流通技術の向上によって、全国にも広まりました。
ホタルイカは全身が青白く光る神秘的な生きものです。
夜の海を青く映し出す光景は、まさに幻想的です。
国の天然記念物に指定されています。
ところで、ホタルイカはなぜ光るのでしょうか。
ホタルイカが光るのは、全身に発光器を持っているからです。
発光器には「ルシフェリン」という発光物質が含まれています。
発光物質が発光酵素の「ルシフェラーゼ」の作用によって光ります。
昆虫のホタルが光るのと同じ仕組みです。
ルシフェリンは、イカやクラゲやエビやオキアミにも見られます。
ウミホタルも持っています。
ルシフェリンの結晶化に成功しました。
しかし、光る理由については今でも謎に包まれています。
腕の発光器が刺激を受けると、発光することはわかっています。
敵に襲われたときに、相手を驚かすためとも考えられます。
あるいは、集団におけるコミュニケーションという説もあります。
詳しい理由はわかっていません。
ホタルイカが光るところを見たいという要望は全国的に多く、
生きた状態を保って空輸されることもあります。
バブル時代はおしゃれなレストランでも提供されました。
ワイングラスに泳がせて青白い光を楽しむ趣向です。
ライトダウンされた店内で幻想的に光るホタルイカは、
うっとりするほど美しかったことでしょう。
しかし、今ではもうバブルは消えてなくなりました。
まるでホタルイカの光が消えるように。