おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

イースターの卵

イースターとは、キリスト教のお祭りです。

復活祭とも呼ばれます。

 

春分の日の後の最初の満月の次の日曜日と決められています。

 

ですから毎年、イースターの祝日は異なります。

四月の初旬から中旬になることが多いようです。

 

イースターという名称は、「エオストレ」に由来すると言われています。

これはゲルマン神話に出てくる春の女神のことです。

 

ところでイースターといえば彩色されたゆで卵がつきものです。

イースターエッグと呼ばれています。

 

赤く塗られた卵が基本ですが、最近は色とりどりに塗られます。

卵を使わずに卵型のお菓子で代用することもあります。

 

そもそもなぜ卵なのでしょうか。

なぜ色を塗るのでしょうか。

 

その起源については諸説があります。

 

卵は動きませんが、そこから新しい生命が誕生します。

それが生の復活を象徴しているという説が有力です。

 

また赤い色はキリストの血の色であり、これも生命の象徴です。

 

エスの復活を見届けたと伝えられるマグダラのマリアが、

ローマ皇帝に赤い卵を献上したともいわれています。

 

ところでイースターエッグを運んで来るのは野ウサギです。

イースターバニーと呼ばれます。

 

サンタクロースのように子どもたちに贈り物を届けてくれるという

ドイツの伝承を起源とすると考えられています。

 

しかしイースターエッグに比べるとイースターバニーの歴史は浅く、

あまり知られていない地域もあります。

 

そのためイースターの特別なご馳走だと勘違いされることもあります。

イースターバニーは決してウサギ料理ではありません。

 

感謝祭のターキーは食べられます。

ハロウィーンのパンプキンも食べられます。

 

しかし、イースターバニーは食べものではありません。