イタリア料理は日本でも人気ですが、その魅力とは何でしょうか。
一つめは日本料理と共通する点があることだと思います。
どちらも素材の持ち味を最大限に尊重します。
素材に手を加えすぎると、その美味しさが失われてしまいます。
イタリアの人々はそれをよく知っています。
たとえば「トマトソースパスタ」はイタリア人の大好物です。
調理法は驚くほど簡単ですが、驚くほど美味しい料理です。
ちょうど日本人が「もり蕎麦」や「素うどん」を愛するように
簡素な料理の中の深い味わいを楽しむことができます。
二つめは地域の料理と食材の個性が豊かなことです。
つまり郷土料理の多様性があるということです。
イタリアは日本と同じように南北に長い国土を持ちます。
そのため様々な海の幸と山の幸に恵まれています。
オリーブオイル一つ取っても地域の差は歴然です。
二つとして同じ風味のものはありません。
郷土の人々が郷土の食材に誇りに感じながら料理を作ります。
その料理が美味しくないわけがありません。
三つめは食べる喜びと楽しさを感じる料理だということです。
生きる喜びと楽しさと言い換えてもいいかもしれません。
イタリア人ほど人生を豊かに楽しむ術を知っている国民はありません。
家族を愛し友人を愛し、幸福を共有する才能にあふれています。
イタリア料理が美味しい理由もそこにあります。
愛する人のために愛情たっぷりに作られた料理であり、
みんなで美味しさを分かち合うために作られた料理なのです。
それがイタリア料理の魅力です。
しかし現在のイタリアは大きな苦難を背負っています。
嘆きと悲しみがイタリア全土を覆っています。
その苦しみを思うと言葉が出ません。
本当に心が痛みます。
料理の神様、どうかイタリアをお救いください。
イタリアに笑顔が戻りますように。
悲しみが癒されますように。
そして、美味しいイタリア料理がいつものように
イタリアの人々の日常に戻ってきますように。
その日が来るまで私は祈り続けます。
私の心はイタリアとともにあります。