私が子どもの頃に食べてみたいと思ったお粥はミルク粥です。
ミルク粥は牛乳粥とも乳粥ともいいます。
お釈迦さまが悟りを開くときの話にこのミルク粥が出てきます。
こんな話です。
お釈迦さまは出家後6年にも及ぶ厳しい修行を積みました。
生死をさまようほどの苦行のために体はすっかり衰弱しましたが
悟りを開くことができませんでした。
一旦苦行を止めてナイランジャナー川で沐浴して身を清めました。
木陰に休んでいると村の娘からミルク粥の施しを受けました。
滋養をつけて体力を回復したお釈迦さまは菩提樹の下で瞑想しました。
そしてついに悟りを開いて仏陀となりました。
仏教ではこの話を乳粥供養といいます。
牛乳でお粥を作るなんて子ども心に興味深く感じました。
インド特有の食べ物だとずっと思っていました。
しかしそうではありません。
ミルク粥は世界各地にあります。
いわゆるライスプディングと呼ばれる食べものがそうです。
しかも甘く味付けしてデザートとして食べることが多いそうです。
牛乳でお粥を炊くだけでも驚きなのにお粥を甘くするとは衝撃的です。
私は始めはそう感じました。
しかし食べてみると全く違和感がありません。
むしろお米の新しいおいしさを味わうことができます。
おそらくお釈迦さまのミルク粥も蜂蜜か果糖で甘くしたと考えられます。
心に沁みるおいしさだったのではないでしょうか。