昔からミョウガを食べると物を忘れるという言い伝えがあります。
本当なのでしょうか。
ミョウガには記憶力を低下させるような成分は含まれていません。
科学的な根拠のない言い伝えです。
迷信と言ってよいでしょう。
ではなぜこのような言い伝えが生まれたのでしょうか。
私が聞いた由来はお釈迦さまのお弟子さんの話です。
お釈迦さまの弟子の一人に極めて物覚えの悪い人がいたそうです。
名前を周利槃特(しゅりはんどく)といいます。
自分の名前さえ忘れてしまうのでいつも首に名札をかけていました。
もちろん経文も全く覚えられません。
それでも一生懸命に修行を積んで立派な仏弟子になりました。
お釈迦さまの教えは聡明であっても愚鈍であっても関係ありません。
物覚えが悪くても精進すれば誰でも悟りを開くことができます。
このお弟子さんはそれを実証しました。
彼が亡くなって埋葬されたお墓に見慣れない草が生えてきました。
それがミョウガです。
ミョウガは漢字で「茗荷」と書きます。
名を担うという意味です。
首に名札をかけていた周利槃特に因んでいます。
そのためにミョウガを食べると物忘れすると言い伝えられたようです。