サラダ油という分類は日本独自の規格によるものです。
風味がよく色調の淡い植物油のことです。
原料として菜種や大豆など9種類の植物に限定されています。
また耐冷性があり低温でも凝固しません。0℃でも澄んでいます。
そのためサラダドレッシングやマヨネーズなどの生食用に向いています。
ところで日本以外の国にサラダ油はないのでしょうか。
サラダ油という呼称があるかどうかはわかりませんが、
低温でも凝固しない食用油の分類はいくつかの国にあるようです。
ただし外国では原料名による油の分類が一般的です。
オリーブ、ベニバナ、トウモロコシ、ヒマワリ、ゴマ、グレープシードなど
それぞれの油の特徴に合わせて料理に使い分けているようです。
日本でもそうした習慣が少しずつ広がってきましたが、
しかし家庭用の油といえばやはりサラダ油が主流です。
生食用だけでなく加熱用にも使われます。
昔は加熱用の油として天ぷら油というものがありました。
これはサラダ油と違って規格が定められているものではありません。
家庭用の精製油を単に天ぷら油と呼んでいたようです。
ですから業務用の天ぷらには天ぷら油は使われません。
外食産業などの業務用に主に使われる揚げ油は白絞(しらしめ)油です。
菜種油や大豆油を精製したものです。
ただし一流の天ぷら屋さんでは独自に揚げ油を調合しています。
天ぷらがカラリと揚がるようにお店ごとに工夫しています。
どんな油を使っているかはもちろん企業秘密です。
素材と油と職人の腕前がおいしい天ぷらの決め手です。