小麦粉と水と塩を混ぜて練った生地を丸い鋳型で焼き上げます。
素朴な味わいが愛されているせんべいです。
南部せんべいという名称は南部氏が八戸藩の藩主だったことに由来します。
歴史は古く南北朝時代に作られたという伝承も残っているそうです。
もともと八戸地方は寒冷な地域です。
夏には太平洋沿岸に冷たい「やませ」が吹きつけて冷害をもたらします。
凶作に苦しんだ人々は米ではなく寒さに強い小麦を栽培しました。
南部せんべいは八戸地方の小麦の食文化を代表する食べものです。
胡麻が入ったものと落花生が入ったものはよく知られていますが
何も入らない「白せんべい」というものもあるそうです。
白せんべいは「せんべい汁」の具としても使われます。
汁物にせんべいを入れるのは意外に思われるかもしれませんが、
江戸時代から200年近くの歴史があるそうです。
もっとも南部せんべいは小麦粉から作られます。
近いのではないかと考えられます。
醤油味や味噌味だけでなくトマトソースやチーズにも合うそうです。
たしかにニョッキがトマトソースに合うなら南部せんべいも合うはずです。
オニオングラタンスープに添えるガーリックトーストの代わりに
南部せんべいを添えてもおいしそうです。
ブイヤベースの濃厚な魚介類の味にも合いそうです。
ポタージュスープに浮かべるクルトンに使ってもよいかもしれません。
地元ではせんべい汁用の煮崩れしにくい南部せんべいが売られているそうです。
入手する機会があればいろいろな鍋料理に試してみたいと思います。