福神漬けは七種類の野菜を使った漬け物です。
ダイコン、ナス、キュウリ、レンコン、ナタマメ、ショウガ、シソの実を
塩揉みしてから醤油と味醂と砂糖に漬け込んで作ります。
材料は地域や作る人によって代わります。
白ウリ、カブ、ニンジン、シイタケが使われることもあります。
とにかく七種類であれば福神漬けになるようです。
ただし必ず入れなければならないのがナタマメです。
ナタマメは熱帯地方原産のマメです。
サヤエンドウと同じようにさやごと食べるマメです。
成長が早くツルの長さは数メートルに達します。
そのため「ジャックと豆の木」のモデルになったともいわれています。
日本には江戸時代に伝わりました。
現在では主に鹿児島で栽培されています。
その独特の食感は福神漬けには欠かせません。
福神漬けを考案したのは東京上野の漬物店のご主人です。
明治時代の初め頃といわれています。
それが全国に広まっていったそうです。
福神漬けがカレーに添えられるようになったのは大正時代です。
客船のレストランで出されたのが最初です。
数ある漬け物の中で福神漬けは甘口に分類されます。
それがカレーの辛い味と相性がよかったのかもしれません。
ラッキョウの甘酢漬けとともにカレーの付け合わせの定番になりました。
それまでの福神漬けは醤油に漬け込んだ地味な色をしていましたが
カレーの見映えをよくするために赤く着色されるようになったそうです。
今では逆に不自然な赤い色はかえって消費者に敬遠されてしまいます。
着色料を使わない地味な色の福神漬けが好まれているようです。