安倍川餅は静岡の名物です。
つきたてのお餅に黄な粉と白砂糖をまぶしたものです。
安倍川のほとりの茶屋で生まれたと伝えられています。
徳川家康が安倍川に立ち寄った際に献上されたそうです。
これを食べて絶賛した家康が安倍川餅と命名したという説があります。
真偽はわかりませんが、時の権力者も唸るほどの美味しさだったのでしょう。
以来、東海道の名物として全国に知られるようになりました。
現在では黄な粉だけではなく小豆餡を絡めた安倍川餅もあります。
鶯餅も安倍川餅に負けない伝承があります。
鶯餅は小豆餡を包んだ求肥を小鳥の姿のような楕円形に成形します。
そこに色鮮やかなうぐいす粉をまぶします。
うぐいす粉とは青大豆で作った黄な粉です。
青黄な粉とも呼ばれます。
豊臣秀吉のために催された茶会で献上されました。
秀吉はこの菓子を大いに気に入り鶯餅と命名したそうです。
この話は天正年間の出来事と伝えられています。
ちょうど秀吉が天下を統一する時期と重なっています。
考案したのはおそらく名のある茶人か菓子職人であると思われます。
派手好きの秀吉を魅了する銘菓であったにちがいありません。