「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」といわれています。
それだけリンゴは健康によいということです。
こんなジョークがあります。
「私の娘があの病院の内科の先生に夢中なのですが、どうしたらいいでしょうか。」
「ではあなたの娘さんに一日一個リンゴを食べさせなさい。」
なかなか面白いと思います。
このことわざはリンゴがトマトに代わることもあります。
「一日一個のトマトは医者を遠ざける」ともいわれています。
それだけトマトも健康によいということです。
また「トマトが赤くなると医者が青くなる」という表現もあります。
これはイタリアのことわざとされていますがはっきりした根拠はありません。
トマトはたしかにイタリア料理でよく使われます。
そのためイタリアのことわざとされてしまったのかもしれません。
「柿が赤くなると医者が青くなる」というのもあります。
柿は日本原産の果実ですからこれは日本で作られたものでしょう。
私はむしろ柿の方がトマトより先なのではないかと考えています。
なぜならば日本語では赤と青が対句表現になりますが、
イタリア語ではそうならないからです。
血色が悪いときの顔色は「青」ではなく正しくは「蒼」です。
イタリア語でもazzuro(青い)ではなくpallido(蒼白な)を使います。
英語のpaleに当たり、具合の悪そうな顔色を表わします。
pallidoの反対語はvivido(生き生きした)やbrioso(快活な)です。
決してrosso(赤い)ではありません。
ですから「トマトが赤くなると医者が青くなる」はもしかしたら
日本で作られたものをイタリア起源としたのではないでしょうか。
ちなみにイタリア語にはazzurrabile(青くなりそうな)という形容詞があります。
これは「サッカーのイタリア代表選手になれるほど有望な」という意味です。
イタリア代表チームのユニフォームが青い色であることに由来します。
トマトが赤くなるとお医者さんがサッカーのイタリア代表選手になってしまいますね。