タルタルソースはフランスで考案されたといわれています。
マヨネーズにさまざまな薬味を刻んで加えたソースです。
例えば、玉ネギ、パセリ、オリーヴ、胡瓜のピクルス、ケッパーなどを
みじん切りにして混ぜます。
さらに、ディジョンマスタード、ホースラディッシュ、胡椒などの香辛料や、
エストラゴン、チャイブなどのハーブ類を加えると味のアクセントになります。
マヨネーズよりも深みがあるのにさっぱりした味わいが特徴です。
エビ、カキ、サーモン、ホタテなどの魚介類のフライに適しています。
タルタルソースはタルタルステーキのために作られたという説がありますが、
「タルタル」とは何でしょうか。
おそらくタタール人のことではないかと考えられます。
タタール人は北アジアから東ヨーロッパまでの広大な地域で活躍していました。
一つの民族を指すのではなくさまざまな民族の総称です。
ヨーロッパでは主にモンゴルの遊牧騎馬民族のことを意味していました。
彼らが食べていた生肉料理がタルタルステーキの起源となったそうです。
タルタルステーキは韓国料理のユッケにたいへんよく似た料理です。
ユッケは生の牛肉の細切りに薬味や香辛料を和えて作ります。
盛りつけた肉の上に卵黄を添えるのが特徴です。
朝鮮半島もモンゴルの遊牧騎馬民族の食肉の影響を強く受けています。
タルタルステーキとユッケが似ているのは当然かもしれません。
仏教によって禁じられていた肉食習慣が朝鮮半島に広まったおかげで
焼肉料理に代表されるような独自の食肉文化が形成されました。
日本ではタタール人のことを韃靼(だったん)と呼んでいたそうです。
タルタルソースをあえて日本語にすると韃靼汁でしょうか。
何だか別の食品みたいですね。
手作りのタルタルソースは楽しくておいしいものです。
ぜひ試してみてください。