タラコはマダラの卵ではなくスケトウダラの卵です。
韓国ではスケトウダラのことを明太と書いて「ミョンテ」や「メンテ」と呼びます。
ロシア語ではスケトウダラのことを「ミンタイ」というそうです。
おそらく韓国語から伝わったのでしょう。
辛子明太子はタラコと唐辛子で作られます。
「メンタイコ」という呼称はどうやら日本で作られたようです。
日本語のイクラはロシア語が語源です。
ロシアでは、鮭や鱒の卵だけでなく魚卵全般を「イクラ」と呼ぶそうです。
逆に、イワシのことをロシア語で「イヴァシ」といいます。
日本語のイワシが語源です。
ただし英語から入った「サルディーニャ」の方がロシアでは一般的だそうです。
数の子はニシンの卵です。
ニシンのことを北海道や東北では「カド」や「カドイワシ」と呼びます。
ですからニシンの卵はカドの子です。
これがカズノコと呼ばれるようになったそうです。
カドはアイヌ語ではないかと思われていますが違うようです。
ニシンのことをアイヌ語ではherokiといいます。
何だか英語でニシンを意味するherringに似ているような気がします。
もちろん偶然ですけど。
イギリスでは、ニシンの燻製やニシンの酢漬けやニシンのパイがよく食べられます。
魔女の宅急便にもニシンのパイが出てきました。
キャヴィアはチョウザメの卵です。
「黒い宝石」と呼ばれる高価な食材です。
キャヴィアの語源はペルシャ語です。
やはり魚卵を意味するそうです。
キャヴィアの主な産地はカスピ海です。
近年はチョウザメの個体数が激減しています。
代用品としてランプフィッシュの卵を使うこともあります。
トビコは飛魚の卵です。
ゴールデンキャヴィアという名前と呼ばれることもあります。
カラスミはボラの卵です。
書道で使う墨にかたちが似ています。
唐から伝わった墨ということでカラスミと名づけられました。
カラスミは長崎の名物です。
肥前のカラスミ、三河のコノワタ、越前のウニは江戸時代の三大珍味でした。
イタリア語ではカラスミのことを「ボッタルガ」といいます。
ボラだけでなく様々な魚卵の塩漬けを意味します。
イタリアのサルデーニャ島ではボッタルガを使った郷土料理が有名です。
イタリア語でイワシのことを「サルディーナ」といいます。
サルデーニャ島でよく獲れる魚だからその名がついたと考えられます。