おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

イワナを食べると龍になるのか

童話「龍の子太郎」にイワナが出てきます。 火であぶった香ばしい匂いのイワナです。 空腹に耐え切れずに禁断のイワナを食べて 龍の姿になってしまう話が描かれています。 私は子どもの頃に「龍の子太郎」を読んで、 イワナという魚を初めて知りました。 は…

刺身を洗いにするとなぜ美味しいのか

魚の薄切りを冷水に晒した料理を「洗い」といいます。 その名の通り、水でさっと洗って水気を切ります。 魚の余分な脂肪分を落とし、臭みを取る料理法です。 身が引き締まって旨味が強く感じられます。 水分を含んだ肉質には適度な弾力が生まれます。 刺身よ…

アユの洗いは禁断の味

アユの最高の食べ方は、何と言っても塩焼きです。 希代の美食家、北大路魯山人もそれは認めています。 塩焼きにして、うっかり火傷するほど熱いところを ガブッとやるのが香ばしくて最上と言っています。 しかも、鵜飼で獲れたアユが一番とも言っています。 …

鵜飼は伝統か虐待か

鵜飼は飼い馴らしたウを使った漁法です。 昔から伝統的に行われてきました。 長良川の鵜飼はたいへんよく知られています。 成長したアユが川を遡上する時期に行われます。 鵜飼に使われるウは「ウミウ」です。 素早く潜水して魚を捕る能力があります。 そう…

そろそろアユの解禁日

初夏はアユの季節です。 そろそろ解禁日を迎えます。 地域によって差はありますが、 5月から6月にかけて解禁されます。 釣り好きには待ちきれない季節です。 アユは清流に棲む魚です。 川底の藻類を食べています。 そのせいか、西瓜に似た香りがします。 そ…

料理を伝えることの難しさ

料理を教えてほしいと人によく頼まれます。 しかし、自分で料理するのは好きなのですが、 人に料理を教えることがとても下手です。 それは、計量したことがないからです。 たとえば、調味料は小さじ何杯ですかと訊かれても 適量としか答えられません。 茹で…

伽羅蕗の伽羅とは何か

フキ料理の定番に「伽羅(きゃら)蕗」があります。 醤油で濃く味付けるのでエメラルドグリーンではありません。 文字通り伽羅色、つまり濃い飴色をしています。 ところで伽羅とは一体何でしょうか。 伽羅は、東南アジア原産の香木の一種です。 たいへんよい…

信太巻きの信太とは何か

フキは、和食の素材とたいへん相性のよい野菜です。 湯葉、麩、高野豆腐、厚揚げとよく合います。 とくにお揚げを使った「信太巻き」は昔からの定番です。 「信田巻き」とも表記されます。 フキをお揚げで巻いて出汁で炊いた料理です。 しみじみとしたフキの…

フキ料理の美しさ

フキノトウが成長するとフキになります。 今が旬の野菜です。 もともと全国に自生する山菜でしたが、 現在は野菜として栽培されています。 自生種を「野ブキ」「山ブキ」ともいいます。 フキはアクが強く、繊維が多いのが特徴です。 料理する前に下処理しな…

タケノコご飯の美味しさ

四季を通して、私は炊き込みご飯をよく作りますが、 今の季節は、やはりタケノコご飯です。 乳白色のタケノコと醤油に薄く染まったご飯に、 色鮮やかな緑の木の芽が映えます。 そしてタケノコの深い風味と心地よい歯応えと ふくよかなご飯の味わいが調和しま…

タケノコ掘りにはなぜ地下足袋が役に立つのか

タケノコ掘りは楽しいイベントです。 潮干狩りや山菜採りに並ぶ春の楽しみです。 しかし、なかなかの重労働です。 スキやクワやスコップなどの重装備が必要です。 中でも、地下足袋は欠かせません。 なぜでしょうか。 タケノコは成長が早い植物です。 一日に…

タケノコはなぜ米糠で茹でるのか

タケノコは鮮度が命です。 鍋を火にかけてから掘れと言われるほどです。 採れ立てのタケノコは生でも食べられますが、 時間が経つにつれてえぐ味が出てきます。 料理の前に下茹でしなければなりません。 タケノコの皮に切り込みを入れて皮ごと茹でます。 一…

孟宗竹の孟宗とは何か

タケノコの季節になりました。 若竹煮、木の芽和え、土佐煮、タケノコご飯など 季節のタケノコ料理が楽しみです。 タケノコは成長が早い植物です。 一日に数十センチメートルも伸びることもあります。 タケノコを漢字で書くと「筍」です。 「竹かんむり」に…

雷が鳴るとシイタケが生えるのは本当か

シイタケの人工栽培が始まったのは江戸時代です。 豊後の国が起源と伝えられています。 それまでは天然のシイタケを収穫していました。 自然に生えてくるのを待つしかありませんでした。 昔の人は、いつどこにシイタケが生えるか知るために、 何とか情報を得…