おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

玉子豆腐

玉子豆腐は豆腐ではありません。 溶き卵に出汁を加えて蒸して固めた料理です。 調理法としては茶碗蒸しと変わりませんが、 茶碗蒸しが熱々をいただく料理であるのに対して 玉子豆腐はよく冷やしていただきます。 また茶碗蒸しには具を入れたり吸口に三つ葉を…

杏仁豆腐

杏仁豆腐は豆腐ではありません。 杏仁霜(きょうにんそう)から作られるデザートです。 アンズの種の中には仁(じん)を呼ばれる核があります。 梅干しの種の中の天神様や銀杏と同じものです。 これを粉にしたものが杏仁霜です。 古くから鎮咳の生薬として使…

胡麻豆腐

胡麻の「胡」とは古代中国語で西方の地域や民族のことを意味します。 胡麻だけでなく胡桃(くるみ)、胡椒(こしょう)、胡瓜(きゅうり)にも 「胡」の字が用いられています。 おそらくこれらの食材はシルクロードを経由してペルシャやインドから 中国に伝…

「ごまかし」の語源

江戸時代の文化文政年間に胡麻を使ったお菓子が売り出されました。 その名を胡麻胴乱といいます。 小麦粉と胡麻を練った生地で砂糖を包んで焼いたものです。 砂糖が熱で融けて生地の中が空洞になります。 その形が胴乱に似ているので胡麻胴乱と名づけられま…

サラダ油は日本だけか

サラダ油という分類は日本独自の規格によるものです。 風味がよく色調の淡い植物油のことです。 原料として菜種や大豆など9種類の植物に限定されています。 また耐冷性があり低温でも凝固しません。0℃でも澄んでいます。 そのためサラダドレッシングやマヨネ…

サラダ風味せんべい

おせんべいには醤油味以外にもいろいろな種類があります。 塩せんべい、ゴマせんべい、ザラメせんべい、磯辺せんべいなどです。 その中にサラダ風味せんべいというものがあります。 サラダせんべいともサラダ味せんべいとも呼ばれています。 サラダ風味とは…

骨せんべい

骨せんべいは米菓ではありません。 魚の骨を油で揚げたものです。 魚を三枚に下ろしたときに骨の間にはまだ身が残っています。 これを捨ててしまうのはもったいない話です。 マグロのような大型の魚は解体した後の骨の周りに身がたっぷり残ります。 これを貝…

南部せんべい

南部せんべいはうるち米粉ではなく小麦粉から作られます。 小麦粉と水と塩を混ぜて練った生地を丸い鋳型で焼き上げます。 青森県八戸地方から岩手県北部にかけて広く食べられています。 素朴な味わいが愛されているせんべいです。 南部せんべいという名称は…

お煎餅の由来

お煎餅がいつ頃から作られるようになったのか詳しくわかっていませんが いろいろな説がある中で埼玉県の草加を起源とする説が有力です。 草加宿は日本橋を起点とする奥州街道、日光街道の二番目の宿場です。 宿場として整備されたのは江戸時代に入ってからの…

フレンチの神様

ジョエル・ロブション氏が亡くなりました。 神様と謳われたフランス料理界の巨匠です。 輝かしい経歴を持つ鬼才でした。 史上最年少でフランス最優秀職人賞を受賞したことはあまりにも有名です。 弱冠30歳のときです。 1981年にはパリのレストラン「ジャマン…

ガリの由来

お寿司屋さんで供されるショウガの甘酢漬けのことをガリといいます。 握り寿司をおいしくいただくには欠かせない存在です。 お寿司とお寿司の間にガリを食べると口の中がさっぱりして 味覚がリセットされる感じがします。 そのおかげで次に食べるお寿司の味…

沢庵漬けと沢庵和尚

沢庵漬けは干したダイコンを糠と塩に数か月間漬けたものです。 日本の伝統的な漬け物の一つです。 この沢庵漬けを最初に作ったのは誰でしょうか。 一説によると沢庵和尚が考案したと伝えられています。 だから沢庵漬けと名がついたと。 本当にそうでしょうか…

なぜカレーに福神漬けが添えられるのか

福神漬けは七種類の野菜を使った漬け物です。 ダイコン、ナス、キュウリ、レンコン、ナタマメ、ショウガ、シソの実を 塩揉みしてから醤油と味醂と砂糖に漬け込んで作ります。 材料は地域や作る人によって代わります。 白ウリ、カブ、ニンジン、シイタケが使…

柴漬けの柴とは何か

柴漬けはナスやキュウリに赤シソの葉を加えて塩漬けにしたものです。 京都大原の伝統的な漬け物として知られています。 昔は「柴」ではなく「紫葉」と書いたそうです。 赤シソの葉のことを意味する言葉です。 いつ頃から作られるようになったのか詳しく分か…