おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

西瓜の由来

西瓜(すいか)は代表的な夏の果物です。 花火と西瓜割りは夏に欠かすことのできない楽しみです。 いつ日本に伝わったのか定かではありませんが 16世紀頃には日本でも栽培されていたようです。 西瓜という漢字表記は中国で使われていたものをそのまま借用し…

南瓜の由来

南瓜(かぼちゃ)はアメリカ大陸原産の野菜です。 日本にはポルトガル人によって16世紀に伝えられました。 もちろんポルトガルからわざわざ運んできたわけではありません。 カンボジア産のものが日本に持ち込まれたそうです。 そのため「カボチャ」と呼ばれ…

冬瓜の由来

冬瓜(とうがん)は夏の野菜です。 夏に旬を迎えるのになぜ冬瓜というのでしょうか。 保存が利き、夏に収穫したものが冬まで日持ちするからだそうです。 また冬瓜には体を冷やす効果があるため暑い夏に冬の気分をもたらすので 冬瓜と名づけられたという説も…

アイスクリームの歴史

日本で初めてスクリームが登場したのは明治2年のことです。 横浜の馬車道通りに最初のアイスクリーム屋さんが開店しました。 その名も「氷水屋」といいます。 かき氷とアイスクリームを売っていました。 当時のアイスクリームは「あいすくりん」と呼ばれてい…

かき氷の歴史

7月25日はかき氷の日です。 昔はかき氷を夏氷と呼んでいました。 7と2と5をナツゴオリの語呂合わせで制定したそうです。 また1933年7月25日に山形で当時の日本最高気温40.8℃を記録しました。 それにちなんでかき氷の日を制定したという説もあります。 ちなみ…

桑の実

童謡の「赤とんぼ」に桑の実を摘む詞が出てきます。 小籠に摘む場面はとても抒情的です。 昔は日本各地に桑畑が見られました。 とくに養蚕の盛んな地域では桑の木は身近な植物でした。 カイコのエサとして桑の葉はとても大切ですが、 桑の実は子どもたちにと…

イナゴの佃煮

田んぼから姿を消した生き物はドジョウだけではありません。 稲刈りの季節によく見かけたイナゴも最近は少なくなりました。 イナゴは稲の害虫ですが昔から貴重なタンパク源でもありました。 佃煮にして食べる風習は全国各地に見られました。 今でも観光地の…

どぜう鍋と柳川鍋

ドジョウはウナギに負けないほど滋養があります。 古くから庶民的な食材として親しまれてきました。 代表的な料理はドジョウ鍋ですが、これは暑気を払う夏の鍋料理です。 汗をかきながらふうふういって食べると精がつきます。 ドジョウはゴボウと相性がよく…

ハモの語源

ハモは大きな口と鋭い歯を持っています。 咬みつく力がたいへん強い魚です。 魚だけでなくカニやエビやタコやイカを襲う悪食です。 釣り人やダイバーに攻撃することもあるそうです。 そのため「咬む」や「食む」から名づけられたといわれています。 またハモ…

ウナギの語源

食べものの語源を調べてみるといろいろ面白い説に出会うことがあります。 真偽は別として思わず微笑んでしまう語源に出会えることは醍醐味です。 ウナギは鵜が飲み込むのに難儀するから「鵜難儀」という話を聞いたことがあります。 落語の小噺ですから学術的…

おいしいことば

おいしいものを表現することばは無数にあります。 しかし本当においしいものを食べたとき私たちは無口になります。 どんなことばを使ってもおいしさを的確に表現することができないからです。 心から感動したときことばは無力になります。 それでもおいしさ…

お茶の温度

「三献茶」という逸話があります。 これは豊臣秀吉が若い頃の石田三成と出会う話です。 秀吉が近江の国に鷹狩りに出かけたときのことです。 喉が渇いたので近くの観音寺に立ち寄って茶を所望しました。 寺の小姓が大きめの茶碗にぬるい茶を淹れて秀吉に献じ…

イカ墨とセピア色

イカ墨のスパゲッティはヴェネツィアの名物料理です。 見た目は真っ黒で衝撃的ですが、味は最高です。 イカ墨、オリーブオイル、ニンニク、トマト、白ワインで作ります。 素材がシンプルなのに味に深みがあります。 イカ墨を使った料理は日本にもあります。 …

エスカルゴ

エスカルゴはカタツムリの料理です。 フランス語では、料理だけでなくカタツムリのこともエスカルゴといいます。 カタツムリなら何でも食べられるわけではありません。 リンゴマイマイという種類が最も食用に向いています。 フランス語でエスカルゴ・ド・ブ…

ワニ料理

サメのヒレはフカヒレといいます。 中華料理の高級食材です。 ヒレ以外の身も昔から食材に用いられてきました。 主に蒲鉾やはんぺんなどの原料になります。 サメの身には尿素が多く含まれています。 鮮度が落ちるとそれがアンモニアに変わります。 そのため…

コロッケの語源

日本語のコロッケはフランス語のクロケットに由来します。 フランス料理のクロケットは俵型の小さな揚げ物のことです。 肉や魚や野菜などさまざまな具を使って作ります。 クロケットが日本に伝わりコロッケとして独自の進化を遂げました。 日本のコロッケは…

食材の組み合わせ

中華料理は食材が豊富なことで知られています。 四本足ならば机と椅子以外何でも食べると昔はいわれてきました。 また二本足ならば人間以外何でも食べるともいわれてきました。 現代はさらに食材が増えています。 飛ぶものは飛行機とヘリコプター以外何でも…

勘違い

これは寓話です。 むかしある国に猫が大好きな王妃がいました。 いつも可愛い猫たちに囲まれて幸せに暮らしていました。 あるとき隣国の王からおいしい木イチゴのジャムが届きました。 木イチゴのジャムは王妃の大好物です。 友好の証として隣国の王が贈った…

七夕に食べるもの

七夕の朝早く里芋の葉に溜まった朝露を集める風習があります。 その露で墨を擦り習字をすると字が上達すると言い伝えられています。 古くはその墨で梶の葉に恋の歌を書いて川に流したそうです。 梶の葉が船の舵となって天の川を渡り恋の歌を届けると信じられ…

チョリソーになれなかったソーセージ

チョリソーは香辛料を加えたソーセージです。 スペインで生まれました。 豚の赤身肉を挽くのではなく細かく切って作ります。 燻製にせずに自然乾燥させるのが特徴です。 辛いと思われがちですが本場スペインのチョリソーは辛くありません。 赤く見える香辛料…

月とスッポン

月とスッポンという言葉があります。 丸い形は同じでも全然違うものをたとえる表現です。 じつはスッポンは月のように丸くありません。 どちらかというと楕円形です。 スッポンはカメの仲間ですが甲羅が堅くありません。 英語でソフト・シェルド・タートルと…

ブリ御三家

ブリ、ヒラマサ、カンパチを「ブリ御三家」というそうです。 いずれもアジ科ブリ属の魚です。 ブリは冬から早春にかけて旬を迎えます。 この時期に獲れるものを寒ブリといいます。 脂が乗ってとてもおいしくなります。 照り焼きやブリ大根にすると最高です。…

柏餅に柏の葉が使われる理由

柏餅に柏に葉が使われるのはなぜでしょうか。 それは縁起が良いからです。 柏の葉は新しい芽が出るまで古い葉が落ちることがありません。 そのため子孫繁栄の象徴とされています。 もともと大きな葉を食器として使う習慣は古来よりありました。 これを炊葉(…

ライスカレーとカレーライス

カレーは明治時代に日本に伝わりました。 インドからではなくイギリス経由でやってきました。 日本がイギリスから軍隊を学ぶときに一緒にカレーが軍隊食に採用されました。 一食でバランスよく兵士に栄養を与えることができるからです。 しかし日本の軍人の…

ナンとは何ですか

インド料理ではカレーにナンが添えられます。 ナンは西南アジアから中央アジアで広く食べられているパンの一種です。 一般にナンは平たい形をしています。 円形のものもあれば草履形のものもあります。 地域によっては独特のヘラ状の形をしたものもあります…