おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

コーヒー牛乳

フランスの朝食はクロワッサンにカフェオーレが定番です。

どんぶりのような大きなカップでカフェオーレをたっぷり飲みます。

 

カフェオーレはコーヒーとミルクをほぼ同量ずつ混ぜ合わせます。

使われるコーヒーは主にドリップコーヒーです。

 

カフェラッテもコーヒーにミルクを入れたものです。

こちらは一般的にエスプレッソコーヒーを使います。

 

エスプレッソコーヒーはドリップコーヒーよりも濃いので

ミルクの割合を多くすることもあります。

 

しかしカフェやバールによってミルクの比率や作り方はさまざまです。

カフェオーレカフェラッテは違うものであるという意見が多い一方で、

あまり区別しないこともあるようです。

 

おいしければ名前はどちらでもいいのですが。

 

カフェラッテはイタリアのヴェネツィアで生まれました。

サンマルコ広場にあるカフェ・フローリアンが発祥と伝えられています。

18世紀に開業した伝統あるカフェです。 

 

カプチーノもイタリアでよく飲まれるコーヒーです。

エスプレッソにスチームミルクとフォームミルクを入れます。

カフェラッテよりもふんわりした感じがします。

 

スチームミルクは蒸気で温めたミルクです。スチームドミルクともいいます。

フォームミルクは蒸気で泡立てたミルクです。フォームドミルクともいいます。

 

カプチーノとはカトリック教カプチン会の修道士のことを指します。

頭巾(カプッチョ)のついた茶色の修道服で知られています。

カプチーノが修道服の色に似ているので名づけられました。

 

エスプレッソにほんの少しだけフォームミルクを注いだものは

カプチーノではなくカフェマキアートと呼ばれます。

マキアートは「まだらになった」「染みがついた」という意味です。

 

フランス語ではカプチーノとカフェマキアートを明確に区別しないようです。

どちらもカフェクレームといいます。

 

ところでカフェオーレはフランス語、カフェラッテはイタリア語ですが、

日本語に訳すとコーヒー牛乳です。

 

コーヒー牛乳は正しくはコーヒー入り乳飲料といいます。

食品の表示としては牛乳ではなく乳飲料に分類されます。

原材料が生乳100パーセントでなければ牛乳と表示できないからです。

 

おいしければ名前はどちらでもいいのですが。