おいしいことば

四季の料理と食材は美しい名を持っています。おいしい食べもののおいしいことばを探してみましょう。

ホロホロ鳥のホロホロとは何か?

ホロホロ鳥はアフリカに生息するキジ科の鳥です。 西アフリカのギニア湾岸が原産と考えられています。 そのため英語で「ギニア・ファウル」と呼ばれています。 ギニアの鶏という意味です。 古くから食用として家禽化されてヨーロッパに伝わりました。 ヨーロ…

七面鳥は名前も七変化

七面鳥は北アメリカ大陸原産のキジ科の鳥です。 キジの仲間では最も大きく、体長1メートルを超えるものもあります。 短距離の跳躍はできるのですが、軽やかに大空を飛ぶことはできません。 アメリカの先住民によって古くから家禽化されてきましたが、 16世紀…

しんじょとはんぺん

しんじょは魚介類のすり身に出汁や卵白や山芋を加えて手毬(てまり)に成形し、 蒸したり茹でたり油で揚げたりした料理です。 出来立ての熱々に大根おろしを添えたり柑橘類を搾っていただくと最高です。 また煮物やおでんの具としても美味しさが際立ちます。…

おぼろとそぼろ

「おばろ昆布」は昆布の表面を薄く削ったものです。 ふわっとした食感と豊かな昆布の風味が魅力です。 「とろろ昆布」とよく間違われますが製法が異なります。 とろろ昆布は何枚かの昆布を束ねてその側面を削ります。 おぼろ昆布は一枚ずつ昆布の表面を削り…

がんもどきとひろうす

がんもどきは水気を切って崩した豆腐を球状にして油で揚げた料理です。 具としてギンナンや刻んだニンジン、レンコン、キクラゲなどが入ります。 つなぎにヤマイモを使ってふっくらと仕上げます。 煮物やおでんの種としますが、一度油で揚げるので味にコクが…

つみれとつくね

つみれは「摘み入れる」という言葉に由来します。 すり身を手で摘んで入れるという意味です。 竹べらやスプーンを使ってすり身を一口大に形を整えます。 すでに煮立っている鍋や汁の中に入れて作ります。 つくねは「捏(つく)ねる」という言葉に由来します…

イベリコ豚はイベリ子豚?

イベリコ豚はイベリア半島で飼育されている豚の品種です。 スペイン語で「セルド・イベリコ」といいます。 純血のイベリア種だけでなく一部の交配種も含まれますが、 スペイン政府の認証を得たものだけがイベリコ豚と呼ばれます。 イベリコ豚は黒い脚と黒い…

豚肉の刺身

明治時代に書かれた「食道楽」という小説があります。 さまざまな料理や食材が作品の中に描かれています。 その中に豚肉の刺身の話が出てきます。 牛刺しや馬刺しという料理はありますが、 豚肉は刺身で食べられるのでしょうか。 もちろん食べられません。 …

ラフテーと東坡肉

ラフテーは沖縄の郷土料理です。 皮付きの豚の三枚肉を醤油と砂糖と泡盛を使って柔らかく煮込みます。 豚肉の角煮に近い料理です。 三枚肉とはバラ肉のことです。 皮と赤身と脂身が三層になっているので三枚肉と呼ばれます。 皮付きのまま使う点が角煮と違う…

月桂樹と昆布

月桂樹はクスノキ科の常緑広葉樹です。 清々しい香りの葉が生い茂ります。 乾燥した葉は煮込み料理やマリネに使われます。 ローリエ、ローレル、ベイリーフとも呼ばれています。 肉の臭みを消すだけでなく豊かな香りを与えます。 ほんの数枚加えるだけで料理…

バジルとバジリコ

バジルとバジリコは同じ植物です。 英語ではバジル、イタリア語ではバジリコといいます。 熱帯アジアを原産とするシソ科の香草です。 アレクサンダー大王がインドから持ち帰ったという説があります。 ヨーロッパ、とくにイタリアで最も愛されている食材の一…

紫蘇の季節

その昔、魏の国に華佗(かだ)という伝説的な名医がいました。 あらゆる医療について非凡な才能を持っていました。 その活躍は三国志にも描かれています。 現代でいえばブラックジャックのような天才医師だったようです。 お正月のお屠蘇(とそ)を発案した…

バナナと芭蕉

バナナは世界中で愛されている果物です。 デザートとしてだけではなく主食としても食べられています。 アフリカでは料理用のバナナが一般的に栽培されているそうです。 料理用のバナナはまだ実が青くて硬いうちに収穫されます。 ですから手で皮を剥くことが…

朴の葉と椎の葉

新緑の季節にならないと食べられないお寿司があります。 朴葉寿司です。 朴の木は初夏になると香りのよい大きな葉を茂らせます。 その葉の上に酢飯を乗せて、鮭、ミョウガ、フキ、シイタケなどの具と 一緒に包んだのが朴葉寿司です。 岐阜県飛騨地方を中心に…

おこわとちまき

もち米を蒸したご飯のことを「おこわ」といいます。 強飯(こわいい)が転じた言葉です。 それに対して姫飯(ひめいい)という言葉があります。 こちらは柔らかく炊いたご飯のことです。 おこわは狭い意味で「お赤飯」のことを指すことがありますが、 「山菜…

小倉餡の小倉とは何か

小豆の餡には「つぶあん」と「こしあん」があります。 では小倉餡とは何でしょうか。 小倉餡は、大納言を煮て蜜に漬けたものをこしあんに混ぜて作ります。 ただし一般にはつぶあんのことを小倉餡と呼ぶこともあります。 小倉餡という名前は京都の小倉山に由…

宇治金時の金時とは何か

宇治金時は白玉やかき氷の定番として甘党に愛されています。 抹茶と餡の上品な組み合わせが魅力です。 宇治とはもちろんお茶の産地として名高い京都の宇治のことです。 必ずしも宇治茶が使われるわけではありませんが、 その場合は「抹茶金時」という名称を…

大納言小豆の大納言とは何か

小豆の中でも粒の大きいものを大納言といいます。 ただし大納言という品種があるわけではありません。 丹波、とよみ、アカネなどの品種を総称して大納言と呼んでいます。 大納言は単に粒が大きいだけではありません。 普通の小豆よりも糖分が多く味が濃いの…

日本原産なのに知られていない果実その2

秋になると実るサルナシという果実があります。 日本列島、朝鮮半島、中国大陸の山に自生しています。 キウイフルーツを小さくしたような姿をしています。 実際にキウイフルーツと同じマタタビ科マタタビ属の仲間です。 野生種だけでなく最近は栽培もされる…

日本原産なのに知られていない果実その1

あまり知られていない日本原産の果実といえばアケビです。 アケビは柿と同じように日本を含む東アジアの原産です。 柿は英語でも「カキ」ですが、アケビも英語で「アケビ」といいます。 おそらく柿を知らない日本人はほとんどいないと思いますが、 アケビを…

市田柿とあんぽ柿

市田柿とあんぽ柿はともに干し柿の仲間です。 市田柿は長野県の旧市田村で栽培されていた品種です。 それを干した柿も市田柿と呼びます。 ですから柿の品種名でもあり干し柿のブランドでもあります。 南信州の特産品です。 一方あんぽ柿は干し柿の名前ですが…

桃栗三年柿八年

桃と栗は芽が出てから三年で、柿は八年で実を結びます。 何かを成就するには相応の時間がかかることのたとえです。 古くから言い伝えられていることわざですが、 実際のところは何年かかるのでしょうか。 調べてみると桃栗三年は妥当な年数のようですが、 柿…

栗より旨い十三里

十三里とはサツマイモの異称です。 「栗より旨い十三里」は「栗よりもおいしいサツマイモ」という意味です。 寛政年間に江戸で生まれた言葉です。 「栗より」を「九里四里」に読み替えました。 九里と四里を足して十三里というわけです。 江戸っ子らしい洒落…

香りマツタケ味シメジ

昔から「香りマツタケ味シメジ」という表現があります。 香りはマツタケの方が勝り、味はシメジの方が勝るという意味です。 この場合のシメジとは本シメジのことです。 じつはシメジにはいくつかの種類があります。 最も多く流通しているのがブナシメジです…

冬菇と香信

冬菇(どんこ)も香信(こうしん)も椎茸です。 冬菇は傘が開き切らないうちに収穫した肉厚で丸みのある椎茸です。 晩秋から初春にかけて採れるので冬菇という漢字で表わされます。 干した冬菇を水で戻すとたいへん旨い出汁が取れます。 そのため干し椎茸の…

トリュフと松茸

トリュフはキノコの一種です。 地表ではなく地中に生えるキノコです。 成熟すると地上に現れることもありますが、 通常は地下数十センチメートルに形成されます。 そのため簡単に探し出すことができません。 昔はブタを使って探してもらいました。 トリュフ…

ポルチーニと舞茸

ポルチーニはイタリアのキノコです。 イタリア語で「子豚ちゃん」を意味します。 丸みを帯びた姿が子豚を連想させる愛嬌のあるキノコです。 濃厚な香りを活かしてパスタやリゾットに使われます。 日本では生のポルチーニを手に入れることは難しいのですが 乾…

リゾットはイタリア生まれ

リゾットはイタリアのお粥です。 イタリア語で「リゾ」はお米を意味します。 「オット」は親しみを表わす接尾語です。 ですからリゾットを日本語にすると「お米さん」になります。 何だか「お粥さん」に似た表現ですね。 イタリアのお粥といっても日本のお粥…

ドリアは日本生まれ

ミルク粥にチーズを乗せてオーブンで焼いた料理があります。 ドリアといいます。 もっと正確にいえばライスグラタンという料理です。 マカロニグラタンのマカロニの代わりにご飯を使ったグラタンと いえばわかりやすいでしょうか。 ドリアという名称から察す…

ミルク粥とお釈迦さま

私が子どもの頃に食べてみたいと思ったお粥はミルク粥です。 ミルク粥は牛乳粥とも乳粥ともいいます。 お釈迦さまが悟りを開くときの話にこのミルク粥が出てきます。 こんな話です。 お釈迦さまは出家後6年にも及ぶ厳しい修行を積みました。 生死をさまよう…